誰でも分かる屋根スレートの知識と気になる費用目安

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屋根スレート

今、屋根スレートの塗装や葺き替えを検討されていますよね。どの方法が一番いいのか、いろいろと情報収集されていると思いますが、その結論に達したでしょうか。

まだでしたら、ぜひこのまま読み進んでください。屋根スレートのベストな扱い方をズバリお伝えします。それでは、まずは屋根スレートそのものについてから説明しましょう。

屋根スレートとは

37化粧スレート

30天然スレート

屋根スレートは「スレート」という屋根材を施工した屋根のことをいいます。そのスレートは「天然スレート」と「化粧スレート」の2つに大別されるのが普通です。

化粧石綿スレート 化粧無石綿スレート 天然スレート
価格 :安価
※ただし現在は施工されていない
:安価 :高価
メリット :軽量なため耐震性が高い
:色合いが豊富
:修理費用が安い
:軽量なため耐震性が高い
:色合いが豊富
:修理費用が安い
:高級感がある
:自然な色合いを楽しめる
デメリット :葺き替え時に処分費が高額になる
:耐久性が低い
:再塗装が必要
:強度が低いため割れやすい
:耐久性が低い
:再塗装が必要
:度が低いため割れやすい
:施工できる業者が皆無
:重いため耐震性が低い

天然スレート

37粘板岩

矢印↓

30天然スレート

天然スレートは、粘板岩を薄く板状に加工した屋根材です。天然の岩を使用するので非常に高価なため、ほとんど普及していません。

また運搬にも細心の注意が必要で、以外と割れやすく、重量もあり、加工にも匠の技術が必須になりますので、どうしても施工費用も高額になります。

国内では、宮城県石巻市雄勝町でしか生産されておらず、ほとんどは海外からの輸入に頼っていますので、あまり出回っていません。

余程、天然スレートに魅力を感じない限り、縁遠い屋根材といえます。そのため、この記事では天然スレートのことは割愛させていただきます。

化粧スレート

37化粧スレート

化粧スレートとは、セメントと繊維を混ぜて、厚さ約5mmに成型された平板状の屋根材です。

薄い平板状なので、施工時の運搬がしやすく、また工業製品ですので、品質が均一化されています。そのため、現場での加工は最低限で済むので施工費も安いです。

有名な化粧スレートとして、カラーベストやコロニアルがあります。以前、この2つが、爆発的に普及したので、その他の化粧スレートも「カラーベスト・コロニアル」と呼ばれることもあります。

化粧スレートは、含まれている繊維の種類によって「石綿スレート」と「無石綿スレート」に分けられます。

石綿スレート

37アスベスト含む

石綿とは、英語ではアスベストといいます。セメントと混ぜる繊維の一部に石綿(アスベスト)を使用しているものが石綿スレートと呼ばれています。

平成18年以前に製造された化粧スレートには、石綿(アスベスト)が含まれている可能性があります。

アスベストといえば、その健康被害が懸念されますが、今住まわれている屋根が化粧スレートでもすぐに健康被害が出るわけではありません。そのままでも、アスベストが飛散することはまずないでしょう。

しかし、雨漏りや経年劣化等で屋根の葺き替えをされる場合は別です。葺き替え工事中にアスベストが飛散するので、施工業者との綿密な打ち合わせが必須です。

無石綿スレート

37アスベスト無し

石綿(アスベスト)が含まれていない化粧スレートを無石綿スレートといいます。平成18年にアスベスト規制が強化され、現在、製造販売されている化粧スレートには全く石綿(アスベスト)は含まれていません。

スレート屋根のメリット・デメリット

スレート屋根は、安価で加工性もよく、耐久性も程よくあり、現在も最も普及している屋根材です。

分かりやすくお伝えするために、ここでは、スレート屋根以外の日本瓦屋根・ガルバリウム鋼板屋根との比較でそのメリットとデメリットをお伝えします。

日本瓦屋根との比較

37新しい日本かわら

38化粧スレート

メリット

・耐震性が高い

理由:重量が軽いから。日本瓦の重さは約165kg/坪で、スレートの重さは約68kg/坪です。その差は約2.5倍です。

・色合いが豊富

理由:スレート屋根は表面に塗装をして色合いを決められるからです。その数は24色以上あります。日本瓦は、塗装できないため、数種類の数からしか選べません。

・修理費用が安い

理由:スレート屋根のほうが、屋根構造が単純だからです。日本瓦屋根は、日本瓦の下に桟木を設置したり、のし瓦や鬼瓦などの棟瓦の施工や漆喰も塗らなければなりません。

一方、スレート屋根は基本的にスレートと水切り金具の構造で、修理に手間が掛かりません。

デメリット

・塗装メンテナンスが必要

理由:スレート屋根は表面が塗装されているので、経年劣化等で定期的な再塗装が必要ですが、日本瓦屋根は、素材自体の色か、釉薬で覆われた陶器ですので、色あせはほとんどしません。

・耐久性が低い

理由:スレート自体は、キチンとメンテナンスをして寿命は30年~50年といわれていますが、日本瓦自体はメンテナンス不要で50年~100年が寿命といわれています。

・強度が低い

理由:スレートの厚みは約5mmで、材質はセメントと繊維です。日本瓦の厚みは約10mm~20mmで、高温で焼き上げた陶器です。当然スレートのほうが強度は低いといえます。

ガルバリウム鋼板屋根との比較

ガルバリウム鋼板屋根

38化粧スレート

メリット

・色合いが多い

理由:スレート屋根は、表面に塗装をして色合いを決められるからです。その数は24色以上あります。

ガルバリウム鋼板屋根も表面に塗装しますが、まだその種類は限られているのが現状です。今後はその数も増えてくると思われます。

・凹みにくい

理由:ガルバリウム鋼板屋根は、薄い金属の鋼板ですので、ちょっとした衝撃でもすぐに凹んでしまいます。スレート屋根は、凹むことはありませんが、ある一定以上の衝撃では割れてしまいます。

デメリット

・耐震性が悪い

理由:スレートの重さは、約68kg/坪です。ガルバリウム鋼板の重さは、約17kg/坪です。その差は、約4倍です。

・デザインが限られている

理由:スレート屋根はスッキリとしたデザインがほとんどですが、ガルバリウム鋼板屋根は、日本瓦風、洋瓦風、スレート風、金属瓦風の4デザインから選べます。

・定期的なメンテナンスが必要

理由:スレート屋根は、約10年に1度、塗装などのメンテナンスが必要だが、ガルバリウム鋼板屋根は、30年~50年間はメンテナンス不要です。

・耐久性が低い

理由:スレート屋根のメーカー保証期間は長くて10年。一方、ガルバリウム鋼板屋根は30年で、長いところでは50年保証が付いていることもあります。

ただしメーカー保証は、施工保証とは全く異なります。簡単に言えば、メーカー保証とは、その製品そのものの品質保証で、施工保証は、屋根全体の保証のことです。

4つのメンテナンス方法

ここでは、代表的な屋根スレートのメンテナンス方法をお伝えします。それぞれの特徴を掴んでベストなメンテナンス方法を選ぶましょう。

屋根塗装

屋根リフォーム事例前1

矢印↓

屋根リフォーム事例後1


古いスレートの塗装を高圧洗浄機などで取り除き、傷んだ箇所を補修後、再塗装するメンテナンス方法です。再塗装によりスレートの経年劣化のスピードを遅らせます。

詳しい内容は「屋根塗装を行なうべきかのチェック項目とDIYと業者の違い」で説明しています。

ただし、すでに経年劣化したスレートに再塗装をしても無駄です。ボロボロになったスレートに塗装をしてもすぐに剥がれてしまいます。その場合は、次の屋根の葺き替えをおススメします。

屋根の葺き替え

10古いスレート

矢印↓

10新しいスレート小

スレート屋根をすべて新しく取り替える方法です。「スレート」、棟板金などの「水切り金具」、「ルーフィング」だけを取り替えることがほとんどですが、屋根の傷み具合によっては、その下の「野地板」まで取り替えることもあります。

スレート自体が酷く傷んでいる経年劣化の場合は、塗装ではなく必ずこの屋根の葺き替えを行いましょう。

葺き替えの詳細は「屋根を葺き替えする時に必ず知ってほしい6つのアドバイス」で確認できます。メンテナンスのついでに100%雨漏りを止めたいという方には、うってつけのメンテナンス方法です。

屋根カバー工法

33屋根カバー工法

38カバー工法

屋根カバー工法とは、傷んでスレートの上に、そのまま新しい屋根材を施工する方法です。外見は葺き替えと同様にすべて新しくなります。

このメンテナンス方法のメリットは、葺き替えよりも費用が安く、工事期間も短縮できることが挙げられます。

しかしデメリットもあります。そのデメリットは「屋根カバー工法の具体的な内容とおススメできない理由を解説」で公開していますので、ぜひ参考にしてください。

屋根修理・屋根補修

28棟板金修理前

矢印↓

28棟板金修理1後
最も屋根スレートが壊れる箇所は、棟板金部分です。棟板金とは、スレート屋根の頂上部にある金属板のことです。

この部分が突風や強風の影響が一番受けやすいので、損害が頻繁に発生します。このように突風や強風で損害を受けることを「風災」といいます。

風災でスレート屋根が壊れたのなら…

もしも、あなたがすでに火災保険に加入されていれば「風災補償」で屋根スレートの修理・補修ができるかもしれません。99%の火災保険には、この「風災補償」が自動で付いています。

このように「風災補償」の範囲は、意外に広いのです。台風や竜巻が来ていなくても「風災補償」で十分に対応可能な場合もあります。

その見極めは「知らないと損!屋根修理の費用目安と0円で直してもらう方法」に詳細に書かれています。

自費やDIYで屋根を修理すべきかどうかは「風災補償」で対応かどうかを確かめてからでも、遅くはないでしょう。

築年数ごとのメンテナンス方法

ここでは、築年数ごとにやるべきメンテナンス方法をお伝えします。

築年数10年未満

メンテナンスは不要

もしも、雨漏りがあるようでしたら、それは施工不良ですので、家を建てた業者に連絡しましょう。無料で修理してもらえるはずです。

無料の理由は「雨漏りの修理費用を1円でも安く抑える為に知っておきたい4つのポイント」をご覧ください。

また明らかに壊れている場合は、十中八九、突風や強風による破損です。火災保険の「風災補償」で修理できます。

築年数10年~20年

1度目の塗装

スレート屋根に何ら問題が生じていなくても必ず、再塗装を行なうべきです。ここで手を抜くとスレート屋根の寿命が著しく短くなります。

後悔されている方のほとんどは、この時期に塗装されていません。

築年数21年~30年

2度目の塗装または屋根補修

湿気や積雪の多い地域では2度目の再塗装を行ないましょう。それ以外お地域では、スレート屋根の状態をみて、必要最低限な屋根補修だけはメンテナンスすることをおススメします。

築年数31年~45年

3度目または2度目の塗装

この時期では、再塗装をしていてもスレート屋根もかなり傷んでいます。雨漏りなどがあまりしていないようなら、再塗装をしましょう。

※今までも1度も再塗装をしていないようでしたら、葺き替えも視野に入れて検討すべきです。

築年数46年以上

屋根の葺き替え

もうほとんどスレート屋根の寿命は過ぎています。これからもその住宅に住み続ける予定であれば、必ず屋根の葺き替えをしましょう。

または、これを機会に住宅を建て替えされるのも1つの方法です。

メンテナンス費用の目安

 屋根の葺き替え  30万円~270万円
(足場代を含む)
 屋根カバー工法  80万円~250万円
(足場代を含む)
 屋根塗装  35万円~120万円
(足場代を含む)
 屋根修理・補修  3万円~100万円
(足場代を含む)
  • 10坪~30坪の範囲で計算しています。
  • 屋根勾配や屋根の下地状態によっては、範囲外になることもあります。
  • 一般的な品質材料での目安です。特殊な材料の場合は除きます。

よくある質問

皆さまからいただく主な質問3つにお答えします。

自分でスレート塗装しても大丈夫?

【答え】自分で塗装されないほうがいいと思います。その理由は下記の3つ。

  1. 慣れと経験がないと、しっかりと塗料がスレートに定着しないから
  2. 屋根構造を熟知していないと、スレートを割ってしまうから
  3. 屋根から落下して怪我をする可能性があるから

塗装作業は、見た目よりハードで経験が必要です。素人の方がすると「安物買いの銭失い」になります。

スレート塗装と葺き替え、どっちがいいの?

【答え】築年数とスレート自体の経年劣化の進み具合を総合的に考えて決めるべきです。

例えば「スレートの塗装だけが傷んでいる」なら、スレート塗装を…、「築年数が50年を超えている」なら、屋根の葺き替えを…という感じで判断しましょう。

アスベストに危険はないの?

【答え】アスベストは健康被害に及ぼす物質ですが、飛散によって口や鼻から浸入し肺まで達しなければ、その危険はありません。

だから屋根の葺き替えなどをしない限り、通常の生活では、自宅屋根がアスベストを含んだスレートだからといって焦って対策をする必要もありません。

まとめ

スレート屋根について、その基本知識やメンテナンス方法をお伝えしましたが、参考になったでしょうか?この記事も1つの情報源としてお役立てできれば幸いです。

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PR編集部

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