屋根が古くなって、屋根工事が必要ではとお考えではありませんか?また、あまり古めかしい屋根だと、ご近所さんの目も気になりますよね。
しかし、どのような屋根工事をするのか、どのように依頼するのが一番いいのか分からないと思います。
そこで、今回は今まで1000件以上屋根修理工事に携わってきた経験を元に、症状別に2つの屋根工事概要と知って得する知識をお伝えします。ぜひ参考にしてください。
屋根工事の種類
まず屋根工事は、その内容によって大きく「屋根塗装工事」「屋根葺き替え工事」の2つに分けられます。
屋根塗装工事
屋根材の塗料が劣化したら見栄えは非常に悪くなります。屋根塗装工事とは、劣化した塗料やホコリを高圧洗浄機などで除去して、塗料を再度塗る工事です。
屋根の見栄えは見違えるほどきれいになります。ただし、日本瓦屋根には塗装工事は適していません。
屋根葺き替え(ふきかえ)工事
痛んだ既存の屋根材や瓦をすべて新しいものに取り替えることを葺き替えといいます。
屋根の傷み具合によっては、屋根材や瓦の下にある野地板も取り替えることもあります。日本瓦→スレートなど種類が異なるデザイン性が高い屋根材に葺き替えることも可能です。
症状別の屋根工事
ここでは、主な屋根の症状別に分けて必要な工事をお伝えします。
屋根が変色
屋根塗装工事が必要です。その理由は、この年数ではまだ屋根材の塗料しか劣化していないからです。
塗装工事を行なえば、十分に雨風や太陽光から自宅を守りことができますし、見栄えもきれいになります。(ただし日本瓦屋根は除く)
具体的な屋根塗装工事の内容は「屋根塗装を行なうべきかのチェック項目とDIYと業者の違い」でお伝えしていますので、よろしければご覧ください。
屋根がボロボロ
屋根葺き替え工事が必要な可能性があります。その理由は、この年数になると屋根材の塗料はもちろんのこと、屋根材自体まで劣化しているからです。
屋根材自体まで劣化していると、いくら屋根塗装をしても一時的には見栄えはきれいになりますが、短期間で塗装が剥がれてしまい、その機能を失います。
具体的な屋根葺き替え工事内容に興味がある方は「屋根を葺き替えする時に必ず知ってほしい6つのアドバイス」をお読みください。
屋根工事の費用目安と施工日数
屋根塗装工事
総額費用(足場代含む) | 35万円~120万円 |
施工日数 | 約3日~5日 |
屋根葺き替え工事
総額費用(足場代含む) | 50万円~270万円 |
施工日数 | 約4日~7日 |
費用目安に大きな開きがある6つの理由
上記金額を見て「すごく開きがあるな!」と思われていますよ。私たちは、他サイトのように最低金額で興味を持たせ、実際の見積り時にはその何倍もの金額を提示するような姑息な手段を使う必要がありません。
なぜ私たちには必要ないのかは「火災保険を使って屋根修理が0円でできる仕組みと確実な申請方法」で詳しくお伝えしています。
しかし、屋根工事の施工は本当に多種多様なのです。その工事内容を想定して正直に金額を記載すると、どうしても金額に大きな開きが出てしまいます。
それにはちゃんとした理由があります。主な理由を挙げてみましたのでご覧ください。
- 屋根勾配(傾斜)の違い。(工事できる職人さんが限られます)
- 塗料や屋根材などの材料品質の違い。
- 職人さんの腕の違い。(アルバイト職人は安い)
- 会社規模の違い。(小さな会社ほど固定費が少なくなり、安い傾向)
- 住宅階数の違い。(平屋は安い、3F建ては高い)
- 屋根の広さ。
基本的な屋根工事の工程
この項目では、スレート屋根における基本的な屋根工事の4つの工程をお伝えしています。
下地工事
屋根の最頂部に棟木があり、この棟木から軒桁へと垂木が架けられます。この垂木は母屋(棟木と同一方向に架かっている木材)と直交するように架けられていきます。
野地板の施工
その後に垂木の上に野地板を釘で貼っていきます。この野地板がスレートや瓦などの屋根材の下地材となります。野地板は構造用合板で、厚さは9mm以上のものを使用しますが、12mmのものを使用することが多いです。
地震に対することを考慮すれば、野地板はできれば千鳥張りが良い(力が分散するので)ですが、千鳥に張られていない現場も多いです。
下葺き材の施工
次は屋根の下葺き材の施工です。下葺き材にも種類がありますが、最近の住宅ではアスファルトルーフィングが使用されることが非常に多いです。この下葺き材は防水シートで、屋根の仕上材から中へ侵入してきた雨水を防ぐためのもので、大変、重要なものです。
このアスファルトルーフィング(防水シート)は、屋根の勾配の下手側から施工していき、上手側のものを下手側の上に重ねるようにします。その重ね代は100mm以上必要です(上下)。逆の重ね方をしてしまいますと、雨水が侵入してしまうリスクがあります。また、左右(横方向)の重ね代は200mm以上です。
屋根の形状等によっては屋根が壁面に接する場合もありますが、その接する壁面の立上り部分は重ね代を300mm以上としなければなりません。
仕上げ工事
最後に屋根の仕上げ工事です。屋根の仕上材の種類は豊富ですが、昔なら瓦葺でした。最近はスレート葺きの住宅が非常に多く、一部ではガリバリウム鋼板のような金属葺きの住宅もあります。
スレート葺きのときは、、前述したアスファルトルーフィング(防水シート)と同様に屋根勾配の下手側から施工していき、上手側を上に重ねていきます。そのときの重ね代はメーカーの仕様を確認するようにします。
【工期について】
予定通り、工事が進めば約3日~5日程度で屋根工事は完了しますが、足場設置の有無や天候などにより大幅に延期されることもあります。
参照元URL:http://www.sumai-dendo.jp/
屋根工事後の法定耐用年数について
ここでは、木造建物の場合で住宅や店舗、事務所の屋根工事を行った後の法定耐用年数について、基本的なことをお伝えします。
新築工事の場合
建物の種類 | 屋根の法定耐用年数 |
住宅・店舗 | 22年 |
事務所 | 24年 |
飲食店 | 20年 |
屋根葺き替え工事の場合
瓦の種類を変えたり、屋根形状を変更するなどの付加価値が発生するような葺き替え工事でない限り、修繕費として扱われますので法定耐用年数が伸びるなどの変更はありません。
屋根塗装工事の場合
屋根塗装もほとんどが原状回復や補修のための工事ですので、修繕費となり屋根の法定耐用年数に変化はありません。もちろん塗装工事代金は費用として計上できます。
基本的な考え方
葺き替え工事でも塗装工事でも付加価値が発生しない原状回復や補修のためものであれば、経費計上できる修繕費になり、法定耐用年数に影響はありません。
その他の建物種類についての法定耐用年数を知りたい人は、https://www.keisan.nta.go.jp/ をご覧ください。
屋根修理には助成金が使える
もし屋根工事を検討中でしたら、耳寄りな情報があります。屋根の修理には、自治体の助成金が使える場合があるのです。
上記の条件を満たしていれば、自治体から20万円~30万円の助成金が出るかもしれません。
細かい条件は自治体によってことなるので、まずはヌリカエというサービスを使って、住んでいる地域に使える助成金があるか確かめてみてください。
屋根の修理に関する匿名のアンケートに答えるだけで、使える助成金を教えてくれます。
悪徳被害に遭わずに優良工事業者を探す方法
昔から屋根業界は悪徳業者が多いと言われています。近年では、その被害がますます拡大しています。ここでは、悪徳被害に遭わずに優良工事業者の見分ける方法をお伝えします。
悪徳被害を回避するのは難しい
悪徳業者の実態を知ることによって詐欺被害を回避するのはかなり手間と時間が掛かかります。それでも100%悪徳業者を探し出すことができればいいのですが…。実際は、あなたより悪徳業者のほうが何枚も上手です。
しかし、悪徳業者の手口を知っておいて損はありませんので、もっと詳しい内容を知りたい方は「危険!web上の悪徳業者にひっかからないための対処方法」を参考にしてみてください。
簡単に優良工事業者を見つける方法
さきほど紹介したヌリカエというサービス、じつは使える助成金がわかるだけでなく、優良業者の相見積もりもできるんです。
ヌリカエを使った業者比較はすべて無料。ヌリカエがお断り代行もしてくれるので、安心して業者を比較できますよ。
まとめ
主な2つの屋根工事をご紹介しましたが、いかがでしたか?屋根工事の内容を知ることも大切ですが、実はそれよりも大切なことがあります。
それは工事業者選びです。悪徳被害に遭わない優良工事業者の見分け方を参考にして、いい業者さんに出会えることを祈っています。