新築時や屋根のリフォーム時に屋根の棟が気になったり、棟上げに誘われて、どうしたらいいのだろうと思われているのではないでしょうか。
今日は、屋根の棟についての基本的な知識と、棟上げに誘われた際の心構えをお伝えしますので、ぜひ参考してください。
棟とは
棟は「むね」と読みます。いわゆる三角屋根の頂上部分にあり、屋根面が交差する分水部分を棟といいます。
中心にある水平な棟を「大棟」(おおむね)と呼ばれ、軒先や屋根の隅に向かっている棟は「下り棟・隅棟」(くだりむね・すみむね)と呼ばれています。
家を数える単位に使われることもある
具体的には、マンションなどの大型住宅を数える際に1棟(いっとう)、2棟(にっとう)と数えます。一般住宅は、一戸(いっこ)、二戸(にこ)と数えます。
そして一般住宅含む建物全般を数えるときは、一軒(いっけん)、二軒(にけん)になります。以降は、屋根の棟(むね)について、基本的なことをお伝えします。
棟の配置で屋根の種類が決まる
上記のように棟の本数や下り棟・隅棟の有無や配置で、屋根は種類分けできます。特に入母屋屋根は、日本特有の屋根の種類といえます。
その他にも様々な屋根種類がありますが、ここでは割愛させていただきます。もっと屋根の種類を知りたい方は「屋根の種類を全部見せます!選ぶ際に参考にすべき2つのポイント」で詳しくお伝えしています。
棟包み板金について
ここでは、スレート屋根やガルバリウム鋼板屋根に施工されている棟包み板金の「材質」「機能」についてお伝えします。
棟包み板金の材質は主に3つある
以前はトタン製のものがほとんどでしたが、現在では、より高機能なガルバリウム鋼板が選ばれているようです。また特注ではありますが、ステンレス製や銅製もあります。
材質① ガルバリウム鋼板
防錆性、耐久性が優れているにも関わらず、加工性も高く、棟包み板金のスリム化や軽量化も容易です。
また機能に対して価格もそれほど高価ではありません。これから棟包み板金の主流になる材質でしょう。
材質② ステンレス
防錆性、耐久性、強度は優れているが、価格が少し高価になります。
材質③ 銅
純和風住宅の棟包み板金に使用されていることがあります。銅の酸化による緑青(ロクショウ)の色合いは、純和風住宅にはよく似合います。
棟包み板金の機能は主に2つある
棟包み板金には、主に2つの機能があります。そして屋根を長持ちさせるには、必須な機能といえます。
機能① 雨水浸入防止
棟部分は鋭角になっていますので、スレートやガルバリウムなどの屋根材はどうしても隙間ができます。
そこで雨水が屋根裏などに入り込まないようにするために、棟包み板金を取り付けてあります。このことを「雨仕舞い」といいます。
機能② 屋根裏の換気
屋根裏が密閉されていると、湿気や高温により傷みが激しくなったり、2F部屋の室温が必要以上に高温になることがあります。それらを防止するために換気機能付き棟包み板金があります。
通常は、軒天の換気口とセットで施工されます。軒天の換気口から吸気され、換気機能付き棟包み板金の換気口から排気され、屋根裏が換気されます。
もっと詳しく知りたい方は「屋根の断熱には換気がカギ|業者情報に惑わされるな!」をご覧ください。
棟上げについて
棟上げとは、木造住宅を建てるときに,柱や梁など骨組みを建てた後、棟木(むなぎ:屋根頂上部の水平な木材)を上げること。もしくはその時に行う儀式をいいます。
その儀式は、別名で上棟式(じょうとうしき)や建前(たてまえ)と呼ばれることもあります。
都心では、棟上げはほとんど行なわれることはありませんが、地方の一部では、まだまだ盛大な棟上げの風習が残っている地域もあります。
棟上げに参加する際の心得
棟上げ儀式は、地域のお祝い事のようなものです。お誘いがあったら気兼ねなく参加しても構いません。
通りすがりの人が参加しても咎められないほど、オープンな行事ですし、手土産も必要ありません。服装等も普段着で十分です。
しかし「祝い」の棟上げ後の宴会などにお誘いがある場合は、簡単でいいので、お酒や縁起物など持って行かれることをおススメします。
棟上げを主催される際のポイント
私は、まだ新築を建てたことがないので主催した経験がありません。
しかし棟上げを主催する手順や準備のことなどが、写真入りで非常に分かりやすく説明されているサイトを見つけましたので、参考にしてみてください。
棟上げ(上棟式)の基本知識
↓
http://jyoutousiki.mayuha.com/
風で最も壊れやすいのが棟です
繰り返しになりますが、棟は屋根の頂上部分になります。そのため、棟が壊れる原因は、十中八苦、強い風なのです。
特に築年数が20年以上で、全く手入れをしていない棟は、上記写真のようにほほ100%強い風で、何らかの損傷を受けています。
火災保険には風災補償というものがほとんど自動でついています。風で壊れた棟は火災保険の風災補償で修理できる可能性があるのです。
火災保険の風災補償について、詳しいその仕組みは「火災保険を使って屋根修理が0円でできる仕組みと確実な申請方法」で分かりやすくお伝えしています。
すでに火災保険に加入中の方には必見です。※新たに保険加入をおススメするものではありませんので、ご安心ください。
まとめ
棟と棟上げについて基本的なことをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。屋根の持ちを長くするには結構、棟は重要なポイントになりますので、しっかりと確認しましょう。