新築時や屋根を葺き替える際に、日本瓦にしようか?他の屋根材にしようか?とお悩みではありませんか。
私は、瓦専門業者でなく屋根修理業者なので、瓦専門業者しか知らないレベルの専門的なことをお伝えすることはできません。
しかし今までに1000件以上、屋根修理に携わってきた私が知っている日本瓦の基礎知識をお伝えしたいと思います。
日本瓦とは
日本国内の粘土で作った焼き物の瓦のことです。そのまま焼いた素焼きのものと、瓦表面に釉薬をかけて焼いたものの2種類があります。
日本瓦屋根は「平瓦・役瓦」の2つで構成されています。また日本瓦というと和風のイメージが強いですが、近年では洋風の日本瓦も製造されています。
日本瓦の種類
ここでは、日本瓦の中で最も多く使われている平瓦を例にして、日本瓦の種類についてお伝えします。その種類分けの仕方は、主に2通りあります。
形による種類分け
J形・和形
皆さんがすぐにイメージできる日本瓦が「J形・和形」になります。日本人にとって一番馴染み深い瓦の形ではないでしょうか。
F形・平形
「J形・和形」の曲面をフラット・平面にしたものが「F形・平形」です。和風の中にもシックでスッキリとした印象で、どことなく洋風の雰囲気も感じられます。
S形・スパニッシュ瓦
S形のSはスパニッシュを意味し、大きく波打った形の瓦です。
スパニッシュとは、スペインのことを指し、その名前通り洋風住宅にマッチし、波が斜めに入っているのが印象的です。
表面処理方法による種類分け
表面に釉薬処理する製造方法と、全く釉薬処理しない製造方法の2つに種類分けできます。
釉薬瓦
粘土を瓦の形に成型して乾かした後、ガラス質の釉薬を表面にかけて処理し、焼き上げた瓦を釉薬瓦といいます。その釉薬の成分によって表面が青や黄色などに色味が変化します。
無釉薬瓦(いぶし瓦)
釉薬は全く使用しない製造された瓦を無釉薬瓦といいます。その中でも、有名なのがいぶし瓦です。
いぶし瓦のいぶしは「いぶされる」を意味しています。製造の最終段階で「いぶされる」ことによって、瓦表面の炭素に膜ができ、日本瓦独特の風格があるいぶし瓦が出来上がります。
日本瓦の三大特徴
日本固有の日本瓦は、もちろん最も風土に適した瓦ですが、とりわけ以下の3つの特徴があります。
特徴① 耐久性が高い
風や雪の影響がなければ、耐久年数は100年以上といわれています。
特徴② 強度が高い
高温で焼かれているので、凹むことはありませんし、少々の衝撃で割れることもありません。
特徴③ メンテナンス不要
表面は塗料処理されていませんので、再塗装などのメンテナンスは必要ありません。
日本瓦の三大産地
昔は、ほとんどの日本家屋では日本瓦は多く使用され、地産地消で全国的に普及していましたが、現在では下記の三大産地以外の日本瓦の姿は、消えつつあります。
愛知県の「三州瓦」
普及率が全国でナンバー1といわれているのが、三州瓦です。愛知県西三河地方などで生産されているものを三州瓦といいます。8つの性能を合わせ持つのが最大特徴です。
島根県の「石州瓦」
島根県の西部で生産される瓦が石州瓦と呼ばれています。約400年前から生産されている日本瓦です。現在の普及率は、三州瓦に次ぐナンバー2の座を維持しています。
兵庫県の「淡路瓦」
兵庫県淡路島で生産されている瓦のことを淡路瓦といいます。その最大の特徴は「なめ土」という日本瓦に適した粘土が豊富にあり、その粘土で瓦表面がキメ細かく、まろやかな仕上がりにできることです。
三大産地のそれぞれの日本瓦について、もっと知りたい方は、http://www.nichijuko.jp/を参考にしてみてください。
日本瓦の起源について
約2800年前に日本瓦の起源となる瓦が中国で登場しています。そして約1420年前には、その中国の瓦が百済から仏教と共に日本に伝来し、588年に奈良県の飛鳥寺で日本瓦を使用されたと伝えられています。
現存する日本最古の瓦は飛鳥時代のもので、元興寺禅室に葺かれている瓦と推測されています。
日本瓦の修理を0円にできる方法
耐久性の高い日本瓦が割れる原因は、ほとんどが強い風です。実は強い風で割れた日本瓦を修理するのに全く費用は掛からない方法があります。
それは火災保険の風災補償で修理する方法です。
詳しくは「知らないと損!屋根修理の費用目安と0円で直してもらう方法」でお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
日本瓦の概要についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。より専門的なことを調べたい方は、本屋さんで瓦の専門書を購入することをおススメします。