結構、築年数も経ったので、そろそろ屋根を点検しなければとお考えですよね。
しかし自分で点検するにもその方法はわからないし、業者に点検してもらうのも、いろいろと不安になっているのではないでしょうか?
この記事では「正しい屋根点検の方法」「点検後 実際に修理が必要になった事例」「業者点検の不安を低減できる方法」などをお伝えしていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
屋根材ごとの正しい屋根点検方法
戸建住宅屋根で、9割以上を占める代表的な3つの屋根材の点検方法をそれぞれ詳しくお伝えします。
瓦屋根
スレート屋根(コロニアル/カラーベスト)
金属屋根
重点的に点検すべき3つの箇所
屋根の中でも特に重点的に点検すべき箇所は、凹凸箇所です。住宅屋根に凹凸がある箇所は、主に以下の3つになります。
棟部
棟部とは、屋根の頂上部分のことです。
ほとんどの住宅はいわゆる三角屋根ですので、当然、棟部は鋭角に尖がっています。この部分は、非常に風の影響を受けやすい箇所といわれています。
谷部
棟部と正反対の形状が谷部です。通常は、雨水を流すために谷樋という雨樋が設置されています。
この谷部は、凹んでいるため、雨水は留まりやすく、また落ち葉などでゴミも溜まりやすいので、腐食が進みやすい箇所です。
外壁際
屋根と外壁の繋ぎ部分は、どうしても角度が付いてしまいます。そのため、防水施工が複雑になり、ルーフィングの切れ目やコーキング不良で雨漏りする可能性が高くなりがちです。
普通の雨天時では、この箇所に雨水が当たることはあまりありませんが、台風や暴風雨時には、そこから雨水が浸入することがよくあります。
修理が必要になる事例
屋根点検をしても、どういった場合に修理が必要になるかを知っておかないと、点検の目的が点検自体になってしまったり、業者に言いくるめられて無駄な屋根修理をしてしまうことになりかねません。
ここでは、修理が必要になった実際の写真事例をお見せします。
棟板金の浮き
スレートと棟板金の隙間が、およそ5ミリ以上あれば、修理が必要になる目安と考えていいでしょう。
屋根材の割れや浮き
浮き幅はおよそ5ミリ以上で、そして割れはどんなに小さなものでも修理が必要になります。
漆喰の崩れ
棟瓦と漆喰の間に隙間や漆喰自体のひび割れは、すぐに修理する必要はありません。漆喰が乾燥すると、縮むことがありますので。
しかし漆喰面から漆喰が剥がれ落ちている場合は、修理が必要になります。
コーキングの剥がれ
コーキング自体のヒビ割れは、まだ修理をするには早いと思われます。
しかしコーキングが剥がれ始めているのであれば、修理をした方がいいでしょう。
錆び発生
錆び予防という面では、小さな錆びでも補修などをしたほうがいいかもしれませんが、直ちに雨漏りすることはありません。
しかし錆びで穴が開きそうな場合は、すぐに錆び取りをして塗装するなどの修理が必要です。
自分で屋根に上る屋根点検をおススメしない3つの理由
自分で屋根を点検することを自主屋根点検といいます。ここでは、自らが屋根に上る自主屋根点検をおススメしない理由を3つお伝えします。
危険だから
屋根の上は、コケなどで滑りやすくなっていることもあります。また思いのほか、急傾斜で、その恐怖心から身体が萎縮してしまい、落下の危険があります。
屋根を壊してしまうから
屋根の上を歩く際、いくつか注意点があります。一般の人は、屋根下の骨組みがどのようになっているかを知らないので、歩く度に屋根材を割ってしまうことが多々あります。
これでは、点検しているのか壊しているのか、分からなくなりますよね。
不具合箇所を特定できないから
特に雨漏りでお困りの場合、一般の人ではほぼ100%雨漏り箇所を特定できません。
見た目が壊れているから、そこが雨漏り箇所とは限らないのです。意外と目立たない小さな隙間が雨漏り箇所であることが多いのです。
おススメの自主屋根点検の方法
それは、屋根に上らずに点検する方法です。一般の人でも比較的安全にできる点検方法を3つお伝えします。
2F窓から1F屋根を目視
室内からの目視点検ですので、安全です。しかし窓から身を乗り出しすぎると落下の危険がありますので、気をつけましょう。
梯子からの目視
梯子の上下をしっかりと固定すれば、落下危険はありません。しかし高所恐怖症の人は控えたほうがいいかもしれませんね。
屋根裏点検だけにする
点検口から屋根裏に上ります。屋根は頭の上になるので壊す可能性はほとんどありませんが、天井を踏み壊す恐れがあります。
必ず、梁(はり)や桁(けた)の上を踏むようにしましょう。雨染みなどがあれば、そこから雨漏りしている可能性があります。
ベストな屋根点検のタイミング
ここでは、大きく2つに分けてベストな屋根点検のタイミングをお伝えしています。
激しい気象に見舞われていない場合
定期的な屋根点検に勝るベストなタイミングはありません。屋根に不具合を感じていなくても必ず定期的に屋根点検をするのがミソです。
そうするとことで、雨漏りや経年劣化の予防になり、大きな修理出費を防ぐ可能性が高まります。
1年毎と5年毎
具体的な時期は「自主屋根点検は1年毎」に、そして「業者による屋根点検は5年毎」にするのがベストのタイミングです。
一番良くないのが、雨漏りがするまで放置することです。室内まで雨漏りしているということはかなり重症の部類になりますので、気付いたときにもう遅く、多額の雨漏り修理費用が必要になる可能性があります。
台風や大雪に見舞われた場合
台風の接近や屋根に例年にも増して積雪があった場合は、その強い風や大量の雪で、屋根が壊れている可能性が非常に高いと言えます。
そのため雨漏りや瓦落ちなどの被害が無くてもすぐに屋根点検することが望ましいです。
特にすでに火災保険に加入済みの人なら、以下の理由でなおさらです。
火災保険で屋根点検も屋根修理も0円でできる
多くの火災保険には、「風災・雪災」補償が自動で付帯されています。
「風災・雪災」補償とは、台風や大雪が原因で屋根に不具合が生じた場合、その損害額(修理費用)を保険会社が負担してくれることをいいます。
火災保険で屋根修理できることについて、詳しくは「火災保険を使って屋根修理が0円でできる仕組みと確実な申請方法」でお伝えしています。
業者に屋根点検を依頼する際の4つポイント
はじめの点検業者を間違えると、必然的に屋根修理も手抜き工事であったり、高額な価格での修理であったりとトラブルになる可能性がグンと高まります。
ここでは、そんなトラブルを回避するために4つのポイントをお伝えします。
悪徳業者の手口を知っておく
悪徳業者は、本当にいろいろな手口であなたを騙しにやって来ます。
その手口を知っておくと、被害を未然に防ぐことが出来ますので「危険!web上の悪徳業者にひっかからないための対処方法」でその実態をしっかり把握しておきましょう。
火災保険に対応しているかを確認
もう一度申しますが、「風災・雪災」補償の対象であれば、屋根点検も屋根修理も負担0円でできます。
どうせ屋根点検を依頼するのであれば、火災保険にも対応している業者を選ぶことが得策でしょう。ちなみに当社は火災保険で屋根修理を行なう専門業者です。
無料か有料かを確認
一般的には無料がいいとされていますが、我々業者の立場からは、一概にそうとは限りません。
特に何度も雨漏り修理したのに雨漏りが止まらない場合などは、むしろ有料で大規模な点検をしたほうがいい場合もあります。
有料点検には様々な方法がありますので、依頼の際はその点検方法をしっかりと確認しておきましょう。
詳しい有料点検方法を知りたい人は「危険!雨漏り調査で気をつける9つのポイント」でお伝えしています。
本当の保証内容の確認
よく「10年間の雨漏り保証」などと、大々的に宣伝告知している業者がいますが、その言葉通りに信じてはいけません。
何の免責事項もなく10年間も保証したら、その業者はとっくに倒産しているか、修理費用が異様に高いボッタクリ業者かのどちらかです。
免責とは、これこれこういう場合は保証対象から除外することです。保証書には、いろいろな免責事項が書かれていますので、必ずこの免責事項を確認しましょう。
屋根修理費用の相場
ここでは、一般的な屋根修理の費用目安を不具合箇所毎にお伝えします。
修理内容 | 費用相場 |
棟板金交換修理 | 30万円~100万円 |
漆喰補修修理 | 30万円~80万円 |
スレート修理(1枚) | 1万円~3万円 |
スレート修理(全体) | 25万円~80万円 |
瓦修理(1枚) | 1万円~3万円 |
瓦修理(全体) | 30万円~100万円 |
屋根葺き替え | 30万円~270万円 |
雨漏り修理(一部) | 5万円~20万円 |
雨漏り修理(全体) | 30万円~300万円 |
もっと詳しく費用目安について知りたい人は「【保存版】7つの屋根修理相場とそれを0円にする方法」をご覧ください。
まとめ
屋根点検を思い立った際に、参考になることをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
屋根点検は、定期的に行なうことが最も重要です。何の不具合を感じていなくても定期的に点検を行なうことで、小さな壊れを発見でき、結果的に最少額の費用で屋根を長持ちさせることが出来ます。