「何度、雨漏り修理しても止まらない」「まだ築数年が少ないなのに雨漏りがしてきた」このような状況で100%雨漏りを止めたいと雨漏り調査を検討されていますよね。
でもちょっと待ってください。本当に有料の雨漏り調査は必要ですか?結論からいいますと「NO」です。その理由は、雨漏り原因が複雑かつ広すぎて、100%確信が持てる調査結果を得ることができないからです。
この記事では、雨漏りの原因と調査内容と、調査結果が100%でない理由をお伝えしますね。ぜひ参考にしてみてくださいね。
雨漏りの原因
雨漏りの原因は、多種多様にありますが、その中でも比較的わかりやすく、件数が多い原因が次の6つになります。
施工不良
施工不良による雨漏りの箇所には、ベランダ下部分やドーマ部分、天窓部分、谷どい部分、1F屋根と2F外壁の取り合い部分等が多いように見受けられます。
その原因はほとんどが施工不良です。具体的には雨仕舞いの作りが雑であったり、防水コーキングがしていないまたは的外れの箇所にコーキングしていたり、ルーフィングのカット方法が間違っていたりなどです。
棟板金の剥がれや浮き
棟板金とは、スレート屋根の棟部(頂上部)に取り付けてある金属板のことです。この棟板金が突風や強風などで浮いて隙間ができて、雨漏りの原因になります。
また長期間の雨風や太陽光で、錆びやすくなり、固定部分がもろくなり、棟板金の剥がれることさえあります。
漆喰(しっくい)の崩れやヒビ
漆喰(しっくい)とは、日本瓦などの接着や目地の充填に使用される水酸化カルシウムが主成分の粘土質のものです。
この漆喰は主に屋根の棟部(屋根頂上部)に使用されているので、突風や強い風の影響を受けやすく、それが原因でヒビ割れをしたり、崩れが発生して雨漏りの原因になります。
特に漆喰の雨仕舞い(雨水が極力、漆喰に当たらない構造)をしっかりとしていないと、雨天の度に雨水が当たってしまい、漆喰が削れられて、そこが雨水の入口になり、雨漏りの原因になることが多いです。
瓦割れやスレート浮き
瓦割れスレート浮きは、ほとんどは突風や強風、地震などで発生します。寒冷地では、瓦やスレート内に含まれた水分が凍り、水分の体積が膨張することで割れることもあります。
そのズレや割れから雨水が浸入して雨漏りの原因になります。
コーキング剤の剥がれ
コーキング剤の剥がれは、経年劣化や建材同士が密接している場合の風による振動や、その建材の材質が異なっている場合は、温度による膨張率(伸び縮み)の差などで発生いたします。
コーキングの剥がれによって、隙間はでき、それが原因で雨漏りが発生します。
経年劣化
屋根材などがその機能を果たせなくなった、もしくは著しく低下した状態を経年劣化といいます。
屋根の最も重要な機能は、雨風をしのぐことですから、その機能が不能になれば、当然雨漏りの原因になります。
雨漏り調査について
一般住宅を対象にした雨漏り調査方には以下の方法があります。ビル等の鉄筋コンクリートの建物には異なった調査方法がありますが、ここでは割愛させていただきます。
目視調査
お客様から雨漏りの状況を詳しくお伺いした後、屋根に上ったり、屋根裏に入ったりして雨シミ箇所やカビの発生などから考慮して雨水の浸入口を特定します。
散水調査
雨水の浸入口と推察される箇所に、ホースで散水をし、雨漏りを再発させることで雨漏りの原因を特定する調査です。散水時間は10分~30分程度。
発光液調査
雨水が浸入していると思われる箇所に発光液を流し込み、屋根裏から紫外線を当てます。発光液が漏水していると紫外線で発光しますので、雨漏りの原因を特定する調査です。
赤外線カメラ調査
赤外線カメラとは、表面の温度差を色分けに表示できるカメラです。このカメラを雨漏り調査に応用したものが赤外線カメラ調査です。
具体的には、住宅に雨水が染み込んでいれば温度差が生じるので、赤外線カメラを応用して雨漏りの原因を特定する調査です。
おススメは目視調査です
最も原始的な調査は目視調査ですが、経験・技術・知識・ノウハウがあれば、その目視調査が最も有効で、費用対効果のいい調査方法であると私たちが考えています。
結局、雨漏り調査の精度は「調査する人間で決まる」と言っても過言ではありません。(※他の調査方法を否定しているわけではありません。)
屋根構造や施工不良箇所や痛みやすい箇所は、屋根修理業者が一番塾知しています。
雨漏り調査をおススメしない3つの理由
4つほど雨漏り調査の方法をお伝えしましたが、私たちがおススメしている目視調査も含めていずれも100%雨漏り原因を特定できるわけではありません。その理由は3つあります。
雨天時に調査できないから
雨天時に屋根に上って調査することは危険極まりありません。ましては台風時や暴風雨時の屋根調査は自殺行為そのものと言っても過言ではありません。
台風の再現が不可能だから
台風時の状況を意図的に100%再現できるのであれば、安全設備を整えて調査を行なえば100%雨漏り原因を特定することは可能かもしれません。
しかし、あたなの住宅でそんなことは不可能ですよね。
莫大な費用が掛かるから
もしも、台風時の状況を100%再現しようとすれば、その調査費用は想像もできませんが、数千万円~数億円は掛かるのではないでしょうか。
たとえば、住宅を完全に包囲する工場建設費・その土地取得費・噴水設備費・暴風発生装置費・検査装置費など。そんな調査は現実味が全くありませんよね。
100%原因が判明する雨漏り調査はない
どんなに優れた技術を駆使して雨漏り調査しても、実際に雨漏りしている状況下で行なわないとその調査結果が100%であるとは言い切れません。
しかし現実には雨天時や台風時に屋根に上って調査を行なう業者は皆無でしょう。だから、雨漏り調査で100%雨漏り原因を特定することはできません。
ちなみに、原因の特定はできませんが、雨漏りをほぼ100%止める方法はあります。それは屋根の葺き替え・住宅の建て替えです。これはこれで数十万~数千万円の費用が掛かってしまいますが…。
調査費用の目安(税別)
目視調査 | 0円~30,000円 |
散水調査 | 30,000円~180,000円 +報告書作成費 |
発光液調査 | 100,000円~250,000円 +報告書作成費 |
赤外線カメラ調査 | 150,000円~350,000円 +報告書作成費 |
雨漏り原因が下記4つの可能性が高い場合は、費用負担0円で雨漏り修理できる可能性があります。
- 瓦やスレートの割れ、ズレ
- 棟板金の剥がれや浮き
- 漆喰(しっくい)の崩れやヒビ
- コーキング剤の剥がれ
その方法とは、火災保険の「風災補償」を有効活用する方法です。
すでに火災保険に加入中の方のみ有効です。それでは、なぜ0円で雨漏り修理できる可能性があるのかを説明しましょう。
雨漏り修理を実質0円にする方法
その雨漏り原因が施工不良でなければ、0円で雨漏り修理できる可能性があります。そのワケは、火災保険の「風災補償」でその修理費用がカバーできるからです。
保険会社のホームページや保険証券で確認してみてください。火災だけでなく「風災」も補償対象であると書かれているはずです。
風災補償とは
強い風を原因とする災害を意味します。具体的には、突風でスレートや瓦がズレたり、強風で棟板金が浮いてしまったような場合が風災に当たります。
強い風で雨漏りがしはじめたのなら、その損害額(雨漏り修理費用)を風災補償でカバーされる可能性が高いといえます。カバーされるということは、実質0円で雨漏りを修理できることになります。
この風災補償は、ほとんどの火災保険・住宅総合保険に自動付帯になっていますので、おそらくあなたの火災保険にも含まれていると思います。
ご存知でない方には、ビックリな話かもしれませんが、私たちは、千件以上の保険申請をサポートさせていただき、多くの方が火災保険で雨漏りを修理されているのは見てきましたので、間違いありません。
実は風災の保険申請数が一番多い
「強い風で雨漏りがしたから、火災保険を申請する」と聞くとなかなか、イメージできませんよね。しかし「交通事故で自動車が壊れたから、自動車保険を申請する」と聞くと、どうでしょうか。すぐにイメージできますよね。
保険の仕組み的には「風で屋根が壊れて雨漏りした」は「事故」扱いなんです。
多くの方が「風で屋根が壊れても、火災保険を申請する」ことを躊躇されていますが、「交通事故で自動車が壊れても」保険申請することに躊躇されますか?されませんよね。
ただ、あまりこの「風災事故」で保険申請できることを保険会社が告知していないことと、「火災保険」という名称が原因で広く認知されていないので、イメージできないだけなんです。
注)両者の違いは、警察が発行する「事故証明書」の有無です。
強い風で保険申請することは、決して特別なことではありません。火災保険で一番申請件数が多いのが、実はこの風災事故なんです。
損保ジャパン様だけで21,025件で、1日当たり約57.6人の方が「風災事故」等で保険申請されています。
イメージできないことに挑戦することは、ちょっとしたきっかけが必要です。もしも、今がそのきっかけであれば、勇気をだして相談してみましょう。
全ての雨漏りが保険で修理できるわけではない
- 天窓付近から雨漏りしている。
- 築50年以上であちこちから雨漏りしている。
- ベランダ下の天井から雨漏りしている。
上記は、施工不良や経年劣化が主な原因で雨漏りしている事例です。これらは「風災」が原因でないため、基本的には火災保険で修理することはできません。
しかし、通常 経年劣化が原因と思われている雨漏りでも、実際は風災が原因の場合が多々あります。
雨漏り原因が「経年劣化+風災」なら…
私たちの経験では、その約8割は「経年劣化+風災」が原因の雨漏りでした。もちろん「経年劣化+風災」でも火災保険で修理できる可能性はあります。
経年劣化と思われている根拠は、ご自宅が長期間、雨風や太陽光に晒されているからですよね。でも長期間、雨風に晒されているということは、その風が原因で雨漏りがしはじめたとも考えられます。
100%経年劣化だけの屋根はない
反対に長期間、雨風に晒されていながら、経年劣化だけで雨漏りが発生するほうが、よっぽど不自然ではないでしょうか。最初から経年劣化だと諦めずに保険申請してみると、実質0円で雨漏り修理ができるかもしれません。
保険申請サポート専門業者の存在
これだけをみると、雨漏り修理業者を呼んで見積りを出せば、一般の方でもできそうです。
しかし実際はいろいろなコツがあり、思ったような結果になる可能性は低くなる傾向にあります。もちろんできなくはないですが、保険申請サポートを専門にした業者に任せることを強くおススメします。
もちろん、雨漏り箇所以外でも風災の痕跡が確認されれば、保険で修理できます。雨漏り修理業者では、保険申請に疎く間違った視点で修理見積りを出すので、雨漏り箇所以外を保険で修理できる可能性は極端に低くなります。
このように雨漏り修理業者に依頼するより、専門業者に依頼した方が数倍のメリットがあることはご理解していただけたでしょうか。
もちろん、ご自身だけで保険申請をされることも可能ですが、餅は餅屋に任せたほうが、おトクでしょう。
具体的な保険申請の方法
■専門業者・火災保険会社へ電話連絡(あなた)
■雨漏り箇所の被災確認後、見積書(保険請求書類)の作成(専門業者)
■見積書(保険請求書類)を保険会社へ提出(あなた)
■雨漏り箇所の被災確認後、損害額の確定(保険会社側の鑑定会社)
■損害額(修理費用)の支払い(保険会社)
優良業者の見つけ方
ネット上では悪徳業者のことはたくさんの情報がありますが、意外と「こんな業者がおススメですよ」という情報は少ないですよね。
ここでは、だれでも簡単にできる優良業者の見分け方を2つ紹介します。
築年数が10年未満の場合
1つ目は、新築されてから10年未満の方限定です。電話で「ある問合せ」をするだけでその業者が優良でなるかそうでないかが分かります。
その問合せとは「まだ、築年数が8年なんですが、雨漏りで困っています。安く修理していただけませんか?」と電話口で伝えるだけです。
この問合せに対して「わかりました。すぐに見積りに伺いましょう」などと無料見積りを勧めてくる業者はいただけません。その理由は住宅瑕疵担保責任の存在です。
住宅瑕疵担保責任とは
わかりやすく説明しますと、新築から10年間に、雨漏りが発生した場合、その住宅を販売・建築した業者が無料で修理しなければならないと定められた制度です。
せっかく国が10年間は無料で直すように法律で定めているのに、そのことを伝えない業者は自社の利益しか頭にない証拠です。
そのような業者の修理工事も自社利益中心なものにしてしまうのは、火を見るより明らかです。
火災保険に加入済みの場合
もう1つは、火災保険に加入されている方限定です。こちらも電話で「ある問合せ」をするだけでその業者が優良でなるかそうでないかが分かります。
その問合せとは「強風で雨漏りがし始めたのですが、安く修理していただけますか?」と電話口で伝えるだけです。
その理由はもうお分かりですね。火災保険の風災補償で修理費用が実質0円でできる可能性があるのにそのことを伝えない業者も、もちろん優良業者であるはずがありません。
本当に試しにこの2つの問合せを意中の業者にしてみてください。おもしろいようにその業者の優劣が分かると思います。
優良業者の模範対応例
築年数10年未満の場合
「まだ築年数が8年なんですが、雨漏りで困っています。安く修理していただけませんか?」(あなた)
「まずは、建てられた業者に電話で相談してみてください。住宅品質確保法の瑕疵担保責任によって、その業者に無料で雨漏りを修理する義務がありますので安心してください。」(優良業者)
火災保険に加入済みの場合
「強風で雨漏りがし始めたのですが、安く修理していただけますか?」(あなた)
「火災保険には加入されていますか?それでしたら、まずは専門業者か保険会社に電話相談してみてください。もしかしたら、保険で雨漏りを修理できるかもしれませんので」(優良業者)
まとめ
本日は、雨漏りの原因、調査内容とその費用目安とその必要性をお伝えさせていただきましたが、ご理解していただけたでしょうか。
また優良業者の見分け方も参考にしていただいて、納得できる雨漏り修理をされることを願っています。