新築や屋根リフォームの見積書の中に鼻隠しという文字を見て、鼻隠しって何だろうと思われたことはありませんか。または傷んできたので、鼻隠しの再塗装を検討中なのでは・・・。
そういうわけで、今日は鼻隠しについて色々とお伝えしたいと思います。知っておくと思わぬ余計な出費を抑えることも出来るかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
鼻隠しとは
鼻隠し(はなかくし)とは、軒先の先端に取り付けられる横板状の部材をいいます。屋根を支えている垂木(たるき)の切り口を隠すために取り付けられています。
鼻隠しという呼び名は、建築用語で軒先や垂木の先端を鼻先と呼ばれていることに由来します。通常、鼻隠しには雨樋が取り付けられるので、雨樋の下地材の役目も果たしています。
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鼻隠しには主に4つの材質がある
以前、木製やモルタルの鼻隠しがほとんどでしたが、現在ではガルバリウム鋼板や窯業系の材質に変わりつつあります。
材質① 木製
一番安価であるが、紫外線の影響を受けやすく、再塗装など定期的なメンテナンスが必要。
材質② モルタル
昔の住宅の外壁はモルタルが多かったので、その延長で鼻隠しもモルタル製が多かったようです。
しかし現在ではモルタル製の外壁が激減しているので、その姿は消えつつあります。
材質③ ガルバリウム鋼板
正確には、木製の鼻隠しにガルバリウム板金を被せたものになります。ガルバリウムは30年以上メンテナンスが不要ですので、1度施工すれば手間要らずで済みます。
材質④ 窯業系
多くは、セラミックスやセメント等の複合材の鼻隠しが使われています。そのため、耐久性や化粧性が高く、さらに耐火性も高いのが特徴です。
【窯業(ようぎょう)とは】
粘土、ケイ砂、石灰岩などから陶磁器、瓦、セラミックス、セメントなど、非金属原料を高熱処理して作るものを製造する工業のことです。窯(かま)を使用するため、窯業と呼ばれています。
代表的な4つの鼻隠しの役目とは
ここでは、軒先の先端で鼻隠しが果たしている主な役目を4つお伝えします。
役目① 雨水浸入防止
鼻隠しがないと、屋根内部に雨水が浸み込んでしまいます。具体的には、垂木や野地板の切り口や垂木間の空間から雨水が浸入し、雨漏りや腐食の原因になります。
役目② 耐風性を高める
鼻隠しがないと、屋根内部の垂木間の空間に風が吹き込み、屋根に浮力を持たせることになります。
屋根自体は、浮力の対して弱い構造になっています。だから台風時などに大きな被害を受ける可能性が高くなります。
役目③ 化粧性の向上
化粧とは、建築用語で見た目を整えて仕上げるという意味になります。屋根内部の垂木や野地板の切り口は、決して見た目がいいものではありません。
そのため、鼻隠しを取り付けてその部分を隠しているわけです。
役目④ 雨樋取り付けのため
鼻隠しは、雨樋の支持金具を取り付けるところでもあります。もしも鼻隠しが無かったら、垂木の切り口部分でしか、支持金具が付けられず、キチンと雨樋を取り付けることは出来ないでしょう。
鼻隠しのメンテナンス・修理方法
鼻隠しには雨樋が取り付けてあるので、屋根から落ちてくる雨水が雨樋に入る際に飛び散るので、湿気と乾燥を繰り返すので、その分、傷みは激しいといえます。
また2Fの鼻隠しは、意外と風の影響も受けやすい箇所でもあります。そのため、鼻隠しの材質によっては、定期的なメンテナンスが必要になります。代表的なメンテナンス方法と修理方法は以下の2つです。
メンテナンス修理① 再塗装
木製の鼻隠しのメンテナンスは、再塗装になります。約10年~15年が再塗装の頻度ではないでしょうか。
詳しい再塗装の方法を知りたい方は、http://www.yuukisougyou.com/をご覧ください。モルタル製の場合は、外壁の再塗装と一緒にされることが多いですね。
メンテナンス修理② 部材交換
突風や強風などの風で壊れた場合には、一部または全部を交換修理することになります。はやり、1度割れたり、歪んだりしたときは、新しい物に交換するに限ります。
実際の交換修理方法は下記サイトでご確認ください。→ 街の屋根やさん
同時に雨樋交換もした方がいい
そのワケは、鼻隠しの塗装や交換修理をキチンとしようとすれば、どうしても一旦、雨樋を取り外すことになるからです。鼻隠しが傷んでいるということは、雨樋もその可能性が高いといえますよね。
だったら、同時に雨樋も交換修理したほうが、ずっとおトクになります。特に足場費用などは、鼻隠し工事と雨樋工事を別々に依頼するのと、同時に依頼するのでは、数十万円の違いが出てきます。
足場費用については「足場は必要?不要?|その費用目安について」で詳しくお伝えしています。
鼻隠しの色合いは白色以外がいい
鼻隠しは、雨樋を取り付ける箇所です。そのため、どうしても雨水の飛び散りなどがあり、濡れてしまいます。当然、水垢などで汚れることもあります。
そのとき白色の鼻隠しだったら、余計に水垢が目立ってしまいますので、極力白色以外の色合いにすることをおススメします。
鼻隠しと破風板の違いとは
それぞれの形状や材質、役目などにはあまり違いはありません。しかし大きな違いがあります。それは、そこに雨樋が付けられているかどうかの一点に尽きます。
簡潔にいいますと、屋根の周囲で雨樋が付いている側が鼻隠しで、付いていない側が破風板ということになります。こう表現すれば、一般の方にもすぐにその違いが分かりますよね。
再塗装と交換修理の費用目安
費用目安 | 20万円~60万円(足場費用も含む) |
【注意事項】
通常は鼻隠しだけの工事を行ないません。雨樋工事と一緒に行なうのが普通です。
そのため上記の費用目安は雨樋交換費用も含んだものになります。また一般的な規模の住宅で計算しています。(10坪~30坪)
上記費用を負担0円にできる可能性あり
実は、鼻隠しが傷んだ原因によっては、その修理費用を実質負担0円にする方法があります。
それは、すでに加入されている火災保険です。火災保険には通常、特約の「風災補償」が自動で付帯されています。
風災補償とは、強い風で傷んだ箇所の損害額(修理費用)を保険会社が補償・負担してくれる特約事項です。1度あなたの火災保険の特約事項も確認しておきましょう。
もしかしたら、私の場合は風災かもと思われている方は「雨樋の修理費用の相場と「タダ」で直すことができる秘密の方法」で、その仕組みや具体的にどうすれば、0円で修理できるかが書かれているので参考にしてみてください。
※リンク先では、鼻隠しと雨樋は同等とお考えください。
まとめ
鼻隠しについて基本的なことをお伝えしましたが、もしかしたら、すでにご存じの項目もあったかもしれませんね。
ご存じだった方には余計な時間を取らせて、ごめんなさい。小数派かもしれませんが、知らなかった方のお力になれれば、幸いです。