ご自宅を建築中、窓に庇が付いていないのに気付いて「このままでも大丈夫かな?」と心配になっているのではありませんか。
建築士に任せているから間違いないと、無理に思い込むのは止めましょう。気になることは自分で調べるのが一番の解決方法です。
そこで、今日は一般の方にも分かりやすく庇のことをお伝えしたいと思います。
庇(ひさし)とは
建物の窓や玄関などの開口部の上部に、張り出す日除けや雨除け用の小さな片流れ屋根のことをいいます。
庇は付けるべき
新築中の自宅に庇がないと気付かれたら、迷わず付けてもらうように対処すべきです。論より証拠で「庇を付けて失敗した」より「庇を付けておくべきだった」と後悔する方が圧倒的に多いのが現実です。
庇はそんなに大きなものではありませんので、万が一、必要が無かったにしても邪魔でどうしようもないと悔やむことはまずありません。
原則的に付けられない場合もある(民法234条1項)
しかし、庇を付けたくても付けられない場合があります。それは隣の敷地から近いところに庇を付けたいなどが該当します。
日本では、原則的には建物は隣の敷地から50cm以上の距離を取ることが常識とされています。(民法234条1項)ただし、この民法は庇には適用されないとの解釈もあるようです。
詳しくは http://www.mirailaw.jp/ で確認できます。しかし、法的にはどうであれ、ご近所さんとのトラブルにならないよう、キチンとケアをしましょう。
庇を付けるべき4つの理由
近年では、大きな庇があるとカッコ悪いという風潮が感じられますが、デザインも大切ですが、住宅には機能性を優先すべきではないでしょうか。
ここでは、庇を付けるべき4つの理由(機能)をお伝えします。
雨の吹き込み防止機能
庇を付けていないと、ちょっとした雨でも窓を開けておくと、雨水が部屋に吹き込みます。そのため、夏場の雨天時などは空気の入れ替えも出来なくなります。
日除け機能
庇がないと、夏場は室内温度が高くなります。反対に庇を付けると、窓からの直射日光が少なくなるので、高温化も防げ、畳や家具などの色褪せも軽減されます。
防汚性機能
庇があると、窓や玄関が直接、雨水に晒されたり、ホコリを被ることも軽減されますので汚れが付きにくくなります。
雨漏り防止機能
庇があると、窓や玄関のコーキング部分も直射日光や雨水に晒されることがありませんので、コーキング劣化による雨漏りの可能性を低減できます。
【因み情報】庇を付けることで起こりうるデメリットとは
- 外観デザインが凸凹してスッキリしない
- 壁面の雨が当たる箇所と当らない箇所で汚れ具合が変わる
- 工事費用が多少高くなる
庇の種類
ここでは、材質が異なった代表的な5つの種類をお伝えします。あなたの好みに合った種類はどれでしょうか。
木製 | ポリカ | アルミ | ガルバリウム | ガラス | |
価格 | ◎ | 〇 | △ | 〇 | × |
耐久性 | × | × | △ | ◎ | ◎ |
デザイン性 | × | △ | 〇 | 〇 | ◎ |
入手度 | ◎ | ◎ | 〇 | △ | × |
木製
木製といっても上面は、アルミやガルバリウムなどの板金やスレートで覆われています。
ポリカ
カーポートのミニチュア版といえばイメージしやすいでしょう。オシャレな庇も多くあります。
アルミ
アルミは「軽量性、耐久性、消音性」にも優れています。
ガルバリウム
キズが付きにくく耐摩耗性に優れています。遮熱効果もあり環境に優しい材質です。
ガラス
デザイン重視の方にはおススメです。シックで都会的な庇が実現できます。強化ガラスなので、安全性も考慮されています。
修理費用の目安
それで、ここでは庇の修理費用の目安をお伝えします。
庇の交換修理 | 20万円~(材料費・施工費込み) |
自分で庇を後付けする方法
分かりやすい庇の取り付け動画を見つけましたので、共有しておきますね。
無論、自分で庇を後付けすると前出金額より安くなりますが、日曜大工が得意でない人は手間も掛かりますし工具などを準備することを考慮すると、業者に依頼したほうが結局は安くて、しっかりとした庇が付けれるのではないでしょうか。
庇の修理費用を負担0円にする方法
庇が傷んで修理予定の方に朗報です。もしも、すでに火災保険に加入済みでしたら修理費用を負担0円に出来るかもしれません。
なぜならば、あなたの火災保険にも特約の「風災・雪災補償」が付いているからです。庇が壊れる原因の一位と二位は「強い風と落雪」です。
少しでも心当たりがある方なら「火災保険を使って屋根修理が0円でできる仕組みと確実な申請方法」で火災保険の「風災・雪災補償」のことを詳しくお伝えしていますので、興味があればご覧ください。
まとめ
新築時に庇が付いていなかったら、迷わず、追加工事で庇を付けてもらいましょう。もちろん費用は掛かりますが、それ以上のメリットがあるのは間違いありません。