新築や屋根葺き替え時にコロニアルを検討されていますよね?インターネット等で情報収集して結論は出たでしょうか?
千件以上 屋根修理工事に携わってきた現場の目線から、インターネット上で溢れているコロニアル屋根の情報を「メリット」「デメリット」に分けてまとめてみました。
記事の最後にその結論もお伝えしていますので、最後までお読みください。結論がまだだったら、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
コロニアル屋根のメリット
コロニアル屋根とは、化粧スレートの一部でクボタ松下電工外装株式会社の屋根材の商品名です。
化粧スレートとは、セメントと繊維、アスベストなどを混ぜ合わせ、成型した厚さ約4.5mmも板状のものに塗装を施した屋根材です。
一般的には、化粧スレートやカラーベストと同じ意味で使われています。爆発的に普及したため、化粧スレートを別名でコロニアルと呼ぶことが多いようです。
現在販売されているコロニアル屋根材にはアスベストは使用されていませんが、平成12年以前に販売されたものには、若干アスベストが混入されていると思われます。
メリット① 価格が安い
代表的な屋根材を㎡単価で比べてみました。以下のようにコロニアルが一番安いのは間違いないでしょう。
コロニアル | 4,500円~/㎡ |
セメント瓦 | 8,000円~/㎡ |
ガルバリウム鋼板 | 10,000円~/㎡ |
日本瓦 | 12,000円~/㎡ |
銅板 | 20,000円~/㎡ |
- 亜鉛メッキ鋼板いわゆるトタンは需要がないため、省きました。
- 金額はネット情報から算出したものです。
メリット② 対応できる業者が多い
コロニアルは、現在最も普及している屋根材です。そのため、多くの業者が施工を経験していますし、コロニアル塗装や破損修理なども手馴れています。
結構、この点は見逃されていますが、最もメリットがあると言っても過言ではありません。なぜならば、屋根の耐久性やメンテナンス費用も施工経験によって大きな差が生じるからです。
業者が多ければ、市場原理が働いて概ね技術は向上して費用は安くなります。
メリット③ 葺き替えが容易
将来、屋根の葺き替えをされるとき、コロニアル屋根だと比較的容易にできます。その理由は、古いコロニアルを撤去する手間が簡単だからです。
コロニアル屋根は基本的にルーフィング・コロニアル・水切りなどの単純な構造です。
特に屋根カバー工法で葺き替える場合は、既存コロニアルの上にそのままルーフィングを敷くことができますので、より容易にできます。
コロニアル屋根のデメリット
デメリット① 割れやすい
コロニアルは、セメントと繊維でできた厚さ約5mmの板状の屋根材です。
そのため、人が踏めば体重で割れてしまう恐れがあることはもちろん、強い風や地震、積雪などでも割れることがあります。これは現場目線からも事実です。
デメリット② コケやカビが生える
コロニアル表面はザラザラしています。そのザラザラ面に砂やホコリが付着して、そこに水分が滞留すればコケやカビが生えてきます。
特に雨の多い地域や北側の屋根に顕著に現れます。コケやカビが生えるとこによって見栄えが悪くなるだけでなく、コロニアル表面の塗装劣化を早めることにもなります。
メリット③ アスベスト問題があるかも
この問題は屋根リフォームを検討されている方限定です。平成13年以前に家を建てられたのなら、そのコロニアルにはアスベストが必ず含まれています。含有率は10%~25%です。
国の基準では一番危険度が低いレベル3なので、一般生活において問題はありませんが、コロニアル撤去を伴う葺き替え工事時には、大きなデメリットがあります。
それは国の廃棄物処理法で、撤去方法や廃棄物の運搬方法、近隣への告知義務などが厳しく規定されているからです。アスベスト処理には多額の費用が掛かります。
他の屋根材との比較表
他の屋根材と比較して、メリット・デメリットを○×△で一覧表にしてみました。
屋根材 | コロニアル | ガルバリウム | トタン | 銅板 | セメント瓦 | 日本瓦 |
色彩の多さ | △ | △ | ○ | × | △ | × |
重さ | △ | ○ | ○ | ○ | × | × |
耐久性 | △ | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
メンテナンス | △ | ○ | × | ○ | △ | △ |
デザイン | △ | ○ | × | △ | △ | △ |
△が多い理由は2つ
それは、比較対象の「屋根材」と「場所」が異なるからです。主な例を挙げましょう。
理由① 屋根材の違い
色彩の多さを表にすると下記のようになります。
トタン屋根 > ガルバリウム>コロニアル > セメント瓦 > 日本瓦>銅板
コロニアルはトタン屋根と比べると色合いは少ないが、日本瓦と比べると多い。このように比べる屋根材によっては色合いが多いとも少ないとも言えます。
だから△なのです。「重さ」についても比較する屋根材が異なるので、メリットもデメリットも△になります。
理由② 場所の違い
日本瓦自体の耐久性は50年~100年だが、漆喰は約15年ごとの点検・補修が必要です。
これでは一体 耐久年数が何年なのか、頻繁にメンテナンスが必要なのかが分かりませんよね。
比較対象が異なる理由
その理由とは、業者の都合です。ある業者が日本瓦を売りたければ「日本瓦は耐久性が50年以上です!」とネットやチラシで告知します。
一方、トタンを売りたい業者は「軽いので耐震性がアップします!」と同様に告知します。
もちろん、どの屋根材にも一長一短がありますので、虚偽の告知ではないですが、うまく誘導されているようで、あまり気分がいいものではありませんよね。
メリットが多い屋根材の登場
それはガルバリウム鋼板の屋根材です。
ガルバリウム鋼板屋根とは、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%のアルミ亜鉛合金をメッキした鋼板を屋根材に加工したものです。
画期的な屋根材として注目を集めています。そのワケはガルバリウム鋼板屋根のメリットの多さです。
ガルバリウム鋼板の4大メリット
メリット① サビにくい
以前のトタン(亜鉛メッキ鋼板)に比べて3~6倍、耐食性があると言われています。
メリット② 軽量
コロニアルよりはるかに軽いです。コロニアルは約68kg/坪で、ガルバリウム鋼板屋根は約17kg/坪です。
メリット③ デザインが豊富
上記写真のようにスレート風から日本瓦風まで、様々なデザインから選ぶことができます。
メリット④ メンテナンスが不要
ガルバリウム鋼板のメーカー保証は10年~30年。ただし、施工時に加工したものは保証対象外です。
ガルバリウム鋼板は業者選びがキーポイント
ガルバリウム鋼板メーカーも施工時加工を保証対象から外しているように、ガルバリウム鋼板屋根の施工には専門の技術、知識が必要なのです。
しかし、まだ登場して日が浅い新しい屋根材のため、キチンと対応できる業者は数が限られています。
せっかく高品質なガルバリウム鋼板の屋根材を使用しても、施工業者を間違うとそのメリットを受けられません。特に防錆とメンテナンス頻度は、施工業者によって天地ほどの差が出ます。
優良業者はある方法で簡単に見つけることができます。それも電話1本で可能です。
その詳しい方法は「絶対に騙されない!屋根修理詐欺の実態と悪質な修理業者の見分け方」で説明していますので、業者選びの際はぜひ参考してみてください。
結論
下記が、千件以上 屋根修理工事に携わってきた私がおススメする対処方法です。
新築で屋根材を検討している
➡ガルバリウム鋼板屋根にする。
葺き替えで屋根材を検討している
➡雨漏りが酷くまでは、現在の屋根材のままで塗装や修理をする。
そして雨漏りが酷くなったら
➡ガルバリウム鋼板屋根への葺き替えをする。
まとめ
コロニアル屋根のメリット、デメリットなどをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
コロニアル屋根は安いので、ついつい選びがちになりますが、今日の記事を参考にして納得のいく屋根材を選んでくださいね!