【業者の言いなりでは駄目】屋根勾配を決める際の6つのポイント

【業者の言いなりでは駄目】屋根勾配を決める際の6つのポイント
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屋根の勾配

新築時や増築時に、屋根の勾配は何を基準に決めればいいのか、よくわかりませんよね。業者に言われるがままでいいのでしょうか。

やはり自分でも少し屋根勾配について勉強したほうが得策といえます。

そこで、この記事では、屋根勾配の基礎知識と勾配の度合いによるメリット・デメリットについてお伝えします。快適な住まい作りのために、ぜひ参考にしてくださいね。

屋根勾配(やねこうばい)とは

屋根勾配1

屋根の傾斜の度合いのことです。その度合いは、屋根材の種類と形状や、地域の平均風速、降雨量、積雪量などの気象条件を考慮して決められるのが一般的です。

勾配の表示方法

屋根勾配の場合は「寸」で表示する方法と「角度」で表示する方法の2つがあります。多く見られるのは「寸」での表示方法です。

「寸」での表示方法

水平距離10に対しての高さで表示する方法あります。例えば高さが4であれば4/10という表示になり、この場合は4寸勾配と言います。

ちなみに10/10(10寸勾配)を矩勾配(かねこうばい)と言います。

「角度」での表示方法

急勾配屋根のメリット/デメリット

6寸勾配以上、傾斜が高いことを急勾配といいます。ここでは、そのメリット・デメリットをお伝えします。

メリットは4つあります

メリット① 耐久性が高まる

急勾配だと、雨水がすぐに流れ落ちるので、雨水が滞留せず、屋根材のコケ発生や塗装剥がれなどを遅らせることができます。

メリット② 雨漏りの危険が低下

上記と同様に雨水滞留が少ないので、ルーフィングや野地板などの腐食による雨漏りの危険性はグッと低くなります。

メリット③ デザイン性が高まる

特に敷地の狭い住宅では、屋根を急勾配にすることで、より重厚感のある豪華な住まいに見せることが出来ます。

メリット④ 屋根裏スペースが広くなる

急勾配だと、より天井から屋根裏面までのスペースを広く取ることが可能になりますので、物置など室内空間を有効に使えます。

また広い屋根裏スペースには断熱効果もあるので、2Fが夏場にはより涼しく、冬場にはより暖かくなります。

デメリットも4つあります

デメリット① 耐風性が弱まる

急勾配だと、屋根面の角度が高いので、突風や台風時に、その力を受けやすくなります。

デメリット② 施工価格が高くなる

急勾配になればなるほど、屋根面積が広くあるので、当然施工価格も高くなります。また急勾配で作業ができる職人も限られてくるので、その人件費も高騰します。

ちなみに勾配の度合いによって、どれぐらい屋根面積が増えるのかを知りたい方は下記表をご覧ください。※表をクリックすると、大きな表に変わります。

デメリット③ 足場が必須になる

個人的には勾配の度合いに関わらず、どの屋根勾配でも足場は必要と思っていますが、世間的には5寸勾配までは、足場を掛けないで施工される業者が多いようです。

しかし6寸勾配以上になると、どの業者でも足場は必須になっているようです。

デメリット④ 今後の修理費用が割高になる

急勾配の屋根修理は、上記のように足場費用が加算されることと、作業できる職人が限られているので、その高額な人件費もプラスされて屋根修理費用が割高になる傾向が強くなります。

緩勾配屋根のメリット/デメリット

緩勾配1

3寸勾配以下、傾斜が低いことを緩勾配(かんこうばい)といいます。ここでは、そのメリット・デメリットをお伝えします。

メリットは3つあります

メリット① 施工価格を抑えられる

屋根面積があまり増えないので、当然施工価格を抑えることができます。また作業がしやすいので、余計な職人人件費を払う必要もありません。

メリット② 風の影響を受けにくい

屋根の頂上部分が低くなるので、強い風が吹いてもその影響は受けにくくなります。

メリット③ 足場が必須でなくなる

急勾配とは反対に緩勾配屋根だと、足場が必須でない業者が多く見つけることが出来ます。ちなみに足場費用は、一般住宅でおよそ10万円~30万円ほど掛かるといわれています。

足場費用については「足場は必要?不要?|その費用目安について」で詳しくお伝えしています。

デメリットは4つあります

デメリット① 耐久性が低くなる

屋根勾配の度合いが低くなると、ホコリなどが付着し、それに雨水が浸み込むことで屋根材の腐食を進行させます。

デメリット② 雨漏りがしやすくなる

雨水の流れが悪いので、雨水経路の複雑化や屋根下地の腐食などにより、どうしても雨漏りがしやすくなりがちです。

デメリット③ デザイン性が乏しくなる

一般住宅の規模では、地上から見た場合、屋根がほとんど見えないので、実際よりも小さな住宅に見えてしまうことがあります。

デメリット④ 断熱効果が期待できない

屋根と天井の間のスペースが狭くなるので、2Fの断熱効果は低くなります。

その詳しい仕組みはは「屋根の断熱には換気がカギ|業者情報に惑わされるな!」で詳しくお伝えしています。

屋根材によって最低勾配は決まっている

屋根勾配は屋根材によって必要最低勾配が決まっています。それ以下の勾配にすると雨漏りや屋根材の吹き上げなどの問題が発生する可能性が高まりますので、絶対に必要最低勾配は守りましょう。

金属屋根 = 1寸以上

10トタン屋根傾斜

必要最低勾配:1/10以上(1寸勾配以上)

スレート屋根 = 3寸以上

10スレート勾配

必要最低勾配:3/10以上(3寸勾配以上)

瓦屋根 = 4寸以上

屋根勾配:かわら

必要最低勾配:4/10以上(4寸勾配以上)

おススメの屋根勾配は「4寸」です

屋根勾配の度合いでお悩みでしたら、4寸勾配にされることを強くおススメします。その理由は以下の3つです。

雨漏りしにくい勾配だから

4寸勾配であれば、雨水が滞留して雨漏り原因になることもほとんどありません。

足場が必須でないから

どの屋根勾配の度合いでも足場を掛けたほうがいいのですが、4寸勾配であれば、ほとんどの業者では足場なしで対応しています。

どの屋根材にも適しているから

「金属屋根→スレート屋根」「瓦屋根→金属屋根」のように、4寸勾配にしておけば、将来どの屋根材にも容易に葺き替えが可能になります。

もしも3/10以下(3寸勾配以下)の屋根勾配だったら、屋根材の種類は限られてしまいます。

(例)3寸勾配のスレート屋根から瓦屋根への葺き替えは事実上出来ません。

雪国の屋根勾配が緩い理由

私は西日本出身なのですが、東北地方や北海道などの豪雪地域の降雪は、私の想像以上に被害を発生させます。屋根からの落雪で死者が出るのは珍しいことではありません。

そのため、落雪防止のため雪国では屋根勾配が緩いようです。また、あまり勾配が急だと雪降ろしができなくなることも緩勾配の屋根が多い理由ではないでしょうか。

まとめ

屋根勾配についてお伝えしましたが、いかがでしたか。業者の言うことだけを真に受けず、ご自身でも屋根に勾配がある理由が分かれば、より納得できるのではないでしょうか。後悔のない住まい作りを応援しています。

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PR編集部

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