誰でも分かる!ガルバリウム鋼板屋根のメリットとデメリット

誰でも分かる!ガルバリウム鋼板屋根のメリットとデメリット
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

この記事は計49,162の方が参考にしています。

屋根業者に勧められたり、インターネットで再々見かけたりして、ガルバリウム鋼板屋根ってなんだろうと気になっていませんか?

もしも屋根のリフォームをお考えでしたら、その気のなることは解消したいですよね。

そこで、今回は1000件以上屋根修理を行なった私の経験を元に、ガルバリウム鋼板屋根の特色とその費用目安、他の屋根材との比較を紹介いたしますね。

ガルバリウム鋼板とは

金属名称と思われている方がいると思いますが、正式には日鉄住金鋼板株式会社の製品名です。

ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%のアルミ亜鉛合金をメッキした鋼板です。

元々はアメリカの会社が開発した製品で現在は、全世界で生産製造されています。

ガルバリウム鋼板の断面図

それでは、分かりやすく他の屋根材と特色を比較してみましょう。

ガルバリウム鋼板屋根の特色

特色① 金属なのに錆びにくい

一般的なトタンである亜鉛メッキ鋼板と比べるとの約4倍の防錆性がある。

特色② 金属だから軽い

日本瓦の約1/6の軽さです。そのため、耐震性にも優れています。

特色③ 金属なのに雨音がしにくい

ハイグレード版への変更や工事方法を工夫すれば、雨音を和らげることができる。

特色④ 金属なのに断熱性がいい

断熱性(熱反射性)顔料を添加した特殊な塗料をコーティングしたものがある。

特色⑤ メンテナンスが不要

ガルバリウム鋼板のメーカー保証は10年~30年である。

他の屋根材との比較

防錆性

屋根材 防錆性
ガルバリウム鋼板 △~○
トタン ×
スレート ◎棟板金は除く
セメント瓦
日本瓦

スレートやセメント瓦、日本瓦は金属ではないので錆びません。ガルバリウム鋼板はトタンと比べれると圧倒的に錆びにくいが、キズ部分やビス止め部分、切断面は錆びる可能性がある。

その警告情報は、日経ホームビルダー6月号 http://www.nikkeibp.co.jp/news/をご覧ください。

しかし、丁寧で腕のいいガルバリウム鋼板施工の経験が多い屋根業者に依頼すれば錆びの心配は低減するでしょう。

軽量性(耐震性)

屋根材 軽量性(耐震性)
ガルバリウム鋼板
トタン
スレート
セメント瓦
日本瓦 ×

スレートやセメント瓦、日本瓦より断然軽いです。しかし、ガルバリウム鋼板はトタンより若干重い。

防音性

屋根材 防音性
ガルバリウム鋼板 △~○
トタン ×
スレート
セメント瓦
日本瓦

ガルバリウム鋼板は金属なので、どうしても雨音はスレートやセメント瓦、日本瓦と比べて大きくなる。

その防音対策として表面に石粒を付着させたガルバリウム鋼板や下地に防音材を敷く方法がある。

断熱性

屋根材 断熱性
ガルバリウム鋼板 ×~○
トタン ×
スレート
セメント瓦
日本瓦

スレートやセメント瓦、日本瓦はそれ自体に断熱機能があるが、ガルバリウム鋼板は金属なので、断熱機能はほぼありません。

その対策としてガルバリウム鋼板の直下や屋根裏に断熱材を施工する方法がある。

メンテナンス性

屋根材 メンテナンス性
ガルバリウム鋼板 20年~50年
トタン 10年~20年
スレート 20年~25年
セメント瓦 30年~40年
日本瓦 50年~100年

ガルバリウム鋼板に替えるメリット・デメリット

明確なメリットは2つあります。

  • 軽量だから耐震性が高い。
  • 防錆性が高い。(※決して錆びないわけではない)

他の評判になっているメリットは条件付きです

  • 防音性が高い。
    条件:ガルバリウム鋼板のグレードアップや追加で防音工事が必要。
  • 断熱性が高い。
    条件:断熱材工事が追加で必要
  • 耐久性が高い。
    条件:腕のいい職人による工事が必要。

デメリットは費用のみ?

大きなデメリットが1つあります。それは費用です。防音性も断熱性も追加工事を行なわないとその性能を保つことはできません。つまり費用が追加で掛かります。

さらに一番のメリットと思われている防錆性や耐久性もガルバリウム鋼板屋根の特性をよく理解している腕のいい職人が行なわないとすぐに錆びて痛んでしまいます。もちろん優秀な職人費用は他業者より割高です。

ではなぜガルバリウム鋼板屋根の評判がいいの?

それは単に業者がガルバリウム鋼板屋根を売りたいからに過ぎません。まだ日本では馴染みのない屋根材で取扱業者が少ないので、高値で売れるからです。

そのため、ネット上では自画自賛したホームページや広告、(偽り?の)お客様の声で溢れています。それらを見た方がその内容を信じてしまい、評判がいいのではないでしょうか。

結局ガルバリウム鋼板屋根は良いの?悪いなの?

新築時のガルバリウム鋼板屋根であればメリットはあるが、屋根リフォーム時にガルバリウム鋼板屋根への重ね葺き(カバー工法)はおススメできません。

その理由は、多額な費用と、まともに施工できる業者が少ないからです。一般的なイメージでは、新築時の業者と屋根修理業者は同じ業界と思われていますが、実はちょっと異なる別業界なのです。

葺き替えではなく修理がおススメ

何もない状態から屋根を施工する技術と、既存屋根材がある状態から修理する技術は異なります。もちろん費用もです。

極力、既存屋根材の修理や塗装にすることをおススメします。そのほうが費用対効果は高いのは間違いありません。

既存屋根の修理なら0円でできるかもしれない

しかも、もしかしたら屋根の修理や塗装であれば負担金0円でできるかもしれません。その理由は火災保険の「風災補償」です。

「風災」というと、大きな災害をイメージされると思いますが、普通の突風や強風でも「風災」にあたります。詳しくは下記の動画をご覧ください。

もしも、すでに火災保険に加入済みの方は必ず「知らないと損!0円で屋根のリフォームができる可能性がある全手法」を目を通してみてください。有益な情報であるとこは間違いありません。

ガルバリウム鋼板屋根への葺き替え費用目安

【注意事項】

  • 屋根の葺き替えを前提とした費用目安です。
  • 新築でガルバリウム鋼板をお考えの方には参考になりません。
  • 費用目安は既存屋根材の撤去処分・足場代・野地板などの交換費用、その他諸経費が含まれる総額です。
  • 数字トリックで安く表示したものではありません。実質費用です。
  • 一般的な住宅である10坪~30坪で計算しています。
日本瓦

ガルバリウム鋼板
    50,000円~80,000円/坪
    15,200円~24,300円/㎡
一般的な住宅では、50万円~240万円
スレート

ガルバリウム鋼板
    30,000円~60,000円/坪
    9,100円~18,200円/㎡
一般的な住宅では。30万円~180万円

【よくある質問 】陸屋根でもガルバリウム鋼板はいいの?

陸屋根とは傾斜のない水平な屋根のことです。残念ですが、陸屋根にはガルバリウム鋼板は向いていません。

いくら防錆性に優れているとはいえ、はやりガルバリウム鋼板は金属なので、水たまりがあれば錆びでしまいます 。

ガルバリウム鋼板屋根の工事概要

ガルバリム鋼板に替える時は業者選びが重要

もしも、あなたがガルバリウム鋼板屋根に大きな期待をしているのであれば、やめときましょう。必ず期待がはずれで業者とトラブルになります。

屋根リフォームは家電製品とは違う

これは住宅リフォーム全般に言えることなのですが、高性能な製品よりも優秀な業者を探すことが最重要なのです。いくら素晴らしい製品でもそれを施工する技術が伴っていないと宝の持ち腐れです。洗濯機や冷蔵庫とは違うのです。

洗濯機や冷蔵庫はコンセントを繋げば、その性能を発揮しますが、屋根修理などの住宅リフォーム全般はそうはいきません。いくらガルバリウム鋼板で屋根を修理しても雨漏りしたら、全く価値はありませんよね。

このように高性能な屋根材よりも優秀な業者を探すことが最も重要なのです。

業者を選ぶポイント

もしも、あなたがガルバリウム鋼板屋根に拘らず、葺き替えやカバー工法以外で修理をお考えなら、下記の言葉で業者に問合せしてみましょう。誰でも簡単にできますし、一発でその業者の優劣が分かります。

「突風で屋根が壊れたのですが、安く修理していただけますか?」

たとえ突風で屋根が壊れていなくてもあえて「突風で」壊れたと伝えてください。 この問合せでその業者の経営姿勢が分かるだけでなく、もしかしたら無料で屋根を修理できるかもしれません。

その理由は知りたい方は「絶対に騙されない!屋根修理詐欺の実態と悪質な修理業者の見分け方」をお読みください。

まとめ

近年、ネット上でガルバリウム鋼板屋根の評価が実力以上に高いので、その警鐘としてこの記事を書きました。決してガルバリウム鋼板屋根が劣悪なものであるという意味ではありません。

実際、トタンに比べれば非常に高性能で比較的費用も安いと言えます。しかし、いくら高品質な屋根材でも施工業者が劣悪であれば、全く意味を成さないことを承知していただければ幸いです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

PR編集部

すべての人にとって大切な住居。その屋根を修理するのに、助成金を利用するのは当然の権利であり、誰もがきちんと利用するべきだ。私たちはその事実を広めるお手伝いをしたいと考えています。

お役に立てましたら、一人でも多くの方にシェアをお願いいたします。