雨漏りがしはじめたので、急いで業者で見積りを取ったら、その内訳にラバーロックという全く想像できない文字を目にしましたよね。
そんなあなたのために、この記事ではラバーロックの基礎知識とそのデメリット、そしてそのデメリットを打ち消す正しい施工箇所などをお伝えします。
また施工料金の目安も掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
ラバーロックとは
日本瓦やセメント瓦などのいわゆる瓦形の屋根材が施工されている屋根において、瓦と瓦をコーキング材(接着剤のようなもの)などで、結合、固定させることをいいます。
このラバーロックをする目的は、以下の2つがあります。
ラバーロック目的① 隙間埋め
瓦は、陶器やセメントでできているので歪むことはないとお考えかもしれませんが、実は、長い年月の間、強烈な太陽光(紫外線等)に晒されることによって、瓦自体が歪み、瓦と瓦の間に隙間ができることがあります。
その隙間から雨水が入り込み、雨漏りの原因となります。その雨漏りを止めるのにラバーロックはとても有効です。
ラバーロック目的② 瓦のズレ防止
台風の強風や地震による振動で瓦がズレることがありますよね。そのズレを防止するために多数の瓦と瓦をコーキング材でくっつけて、より強固にして瓦のズレを防止するのがラバーロックです。
ただし、基本的なポイントを抑えてキチンとした施工をしないと、次項目で挙げている3つのデメリットを受けることになるので気を付けましょう。
未熟なラバーロックには3つのデメリットがある
ここでは、ラバーロック施工が未熟な業者に依頼すると、あなたの屋根が受ける主な3つのデメリットを挙げています。
瓦下に湿気が溜まりやすくなる
よくありがちなデメリットは、瓦周囲すべてをコーキングして、瓦下の空間を密閉してしまい、湿気が溜まり、ルーフィングや野地板が腐食させてしまうことです。
これらの腐食が激しくなると高額な屋根の葺き替えをせざるを得なくなります。
将来 外観が悪くなることがある
コーキング直後は、ラバーロック部分は綺麗な乳白色の色をしていますが、時間の経過とともに、ホコリや砂が付着して黒ずんできます。
ポイントを抑えて最低限の箇所にラバーロックをしていないと、屋根全体が黒ずんで外観が非常に悪くなります。
雨漏りの原因となることがある
特に上部瓦と下部瓦の隙間にコーキングするラバーロックは、知識や経験のない未熟な業者がしがちです。
この隙間は、瓦が重なっている箇所ですので、雨漏りには無関係です。むしろ、その隙間は、瓦下の換気の役目を果たしている必要な隙間なのです。
その部分をラバーロックしてしまうと、将来 劣化によってコーキング自体に亀裂が入り、毛細管現象(http://mbp-saitama.com/)によって、亀裂を雨水が上方にさかのぼり雨漏りの原因となります。
正しいラバーロックの施工箇所
この項目では、ラバーロックの施工技術を有している業者が行なっている正しいラバーロックの施工箇所をお伝えします。
平瓦部分
雨水が流れない瓦の山の左側と山の下部分だけをL字型にコーキングするのが正しいラバーロックの施工箇所です。
L字型にすることで、瓦を固定しながら、瓦下の換気が確保でき、かつ最小限のコーキングで外観も考慮でき、さらに雨水の流れる部分にはコーキングをしていないので、雨漏りの原因になることもありません。
棟瓦部分
棟瓦は、屋根の中でも出っ張っている部分ですので、突風や強風の影響を受けやすい箇所ですので、瓦ズレ防止には、ラバーロックは大変有効です。
写真のようにのし瓦が交互に積んであるT字部分のみコーキングするのが正しいラバーロックの施工箇所です。この箇所だと、最低限のコーキング箇所で最も多くの棟瓦を連結、固定することができます。
【ちなみ情報】悪い施工箇所とは
瓦の上下左右4辺すべてをコーキングするラバーロックは、素人目にはより瓦を固定できていいなと思われるかもしれませんが、最もやってはいけない悪い施工箇所です。その理由はもうお分かりですよね。
「ラバーロックを勧める=悪徳業者」は間違っている
確かにラバーロックは、原価が安く作業的には簡単なので悪徳業者に目をつけられやすい修理方法とは思いますが、「ラバーロックを勧める=悪徳業者」ではありません。
作業は簡単ですが、ラバーロックの必要性の有無や的確なコーキング箇所には、熟練者の判断が必要になります。まずは、ラバーロックが必要になる条件をお伝えしましょう。
ラバーロックが必要になる3つの条件
自然災害が多い地域に住まいがある
台風の強風や地震の揺れで、瓦がズレることを予防するためにラバーロックを施工するのは大変有効です。
突風対策や地震対策が気になっている
近年では、今までに地震や台風がほとんど来ていない地域でも多数被害が発生しています。ラバーロックは、将来の突風や地震の対策に打ってつけです。
比較的新しい住まいで雨漏りしている
雨漏りを止めるためには、古い住まいだと、一部または全面の屋根葺き替えをお勧めしますが、築十数年以下の比較的新しい住まいでは、ラバーロックで雨漏りが止まる可能性が高まります。
一方、ネット情報を調べていると、何だか「ラバーロックを勧める=悪徳業者」のような風潮になっているのでその警鐘を鳴らしたいと思います。
実は、そのような風潮になったわけには、主に以下の2つの事実があるからだと考えられます。
不必要なラバーロックを勧める業者=悪徳業者
ラバーロックは、他の雨漏り修理と比べて、費用が少なく手間も比較的掛からないので、悪徳業者の目に留まりやすいです。
そのため、屋根に上って大袈裟に雨漏りの不安を煽り、必要のないラバーロック施工をして暴利を貪っています。
見当違いな箇所にラバーロックをする業者=悪徳業者
いくらラバーロックが必要な屋根でもその施工箇所を間違えてしまうと、すでにお伝えしたように屋根の傷みを早めたり、外観が悪くなったり、別の雨漏り原因になったりとデメリットを多数発生させます。
しかも屋根修理業界では、このような未熟な業者が大多数を占めているのが現状です。
つまり…
「ラバーロック=悪い施工」なのではなく、本当の意味でラバーロックを知らない業者が安易に施工するので、「ラバーロックを勧める=悪徳業者」の風潮があるにすぎないのです。
悪徳業者は電話1本でわかります
ラバーロックの経験が豊富な業者に依頼すれば、これほど安価な雨漏り防止対策はありません。
「ラバーロック=悪」と決め付けず、一度選択肢に入れられることをお勧めします。ただし、その際は業者選びはより慎重にすべきといえます。
実は電話1本でその業者が、悪徳かどうかが分かる問合せ方法があります。詳しくは「絶対に騙されない!屋根修理詐欺の実態と悪質な修理業者の見分け方」でお伝えしています。
ラバーロックの施工料金の目安
ここでは、私たちが提供しているラバーロックの施工料金をお伝えしています。一般的な規模(20坪~25坪)の屋根を想定しています。あくまでも目安としてお考えください。
ラバーロックの施工料金 | 50,000円~200,000円 (総額:消費税別途) |
屋根の傷みは保険で直せる
あまり多くの人はご存じありませんが、屋根に風や雪によって傷みが生じた場合は、今ご加入中の火災保険で直せることがあります。
その理由は、多くの火災保険に自動付帯されている「風災・雪災」補償の特約です。
今、ラバーロックのことを調べられているということは、屋根に傷みが生じているのではありませんか。もしかしたら、その傷みの原因は、突風や積雪かもしれませんよね。
火災保険の「風災・雪災」補償の特約については「火災保険を使って屋根修理が0円でできる仕組みと確実な申請方法」でその詳細をお知らせしています。
まとめ
この記事では、ラバーロックの基礎知識とそのデメリット、それを打ち消す正しい施工箇所等をお伝えしましたが、参考になったでしょうか?
見積書にラバーロックの文字があれば、その業者は悪徳業者かまたは優良業者のどちらかである可能性が高いので、しっかりと業者を見極めましょう。