- 周辺の住宅にはほとんど雪止めが付いているので、新築中の自宅にも雪止めを付けたほうがいいのかな?
- 近年、大雪の日が増えてきたので、雪止めを付けたいけど後付けってできるのかな?
上記のようなことで心配されていると思います。でもそもそも雪止めって、どんな物かご存じですか?
今日は、代表的な雪止めの種類を紹介しながら、あなたにその雪止めが必要かどうかのポイントをお伝えします。
雪止めとは
屋根に積もった雪が、すべり落ちないようにするために雪を引っ掛けるための部材です。軒近くの瓦やスレートなどの屋根材に取り付けられることが多いです。
雪止めが必要になる4つの理由
ここでは、実際に雪止めが必要になった理由を4つお伝えします。1つでも当てはまったら、すぐにでも雪止めをつけたほうがいいでしょう。
中途半端な降雪がある
今までに1度でも屋根に積雪があった地域、つまり東北地方・北海道と、沖縄県にお住まいの方は、雪止めをつけたほうがいいでしょう。
過去数年間、大雪被害がない地域でも安心しないでください。その例が2014年2月の関東地方を襲った記録的な大雪です。
ちなみに中途半端というところがミソです。以外と思われるかもしれませんが、豪雪地方では雪止めはほとんどつけられていません。その理由は2つあります。
理由① 雪おろし時に邪魔になるから
雪おろしの際は、スコップで屋根の上を滑らすようにして雪を落下させますので、雪止めがあるとスムーズに雪おろしができません。
理由② 雪止め金具が大量の雪で曲がるから
大量の雪の重みで、すぐに雪止め金具が曲がってしまい、役に立たないからです。豪雪地方では、屋根の上に何メートルもの雪が積もります。
その重さは数十トン以上です。薄い金属板の雪止め金具では、太刀打ちできません。
軒先の下にカーポート、通路、植木などがある
雪の重さは想像以上にあります。その破壊力は驚異的です。カーポートは潰れ、植木はなぎ倒され、人の頭上に落ちれば死亡することもあります。
隣地との境界線が近い
隣にカーポートや車、植木などに実際に被害があるときは、もちろんトラブルになりがちですが、実は何も被害がない、ただ屋根から落ちた雪が隣の敷地にあるだけでもトラブルに発展することも多々あります。
隣の敷地に何もなくても、落雪が隣まで届くようなら、雪止めをしておくほうが無難です。
雨樋破損の防止になる
雪止めがないと、屋根から雪がすべり落ちる際に、大量の雪が雨樋に引っかかってしまい、雨樋が外側に開いたり、外れることはあります。この雨樋破損を防止するために雪止めをつけられる方も多いです。
雪止めは後付けが可能です
瓦屋根や金属屋根の場合は、瓦を取り替えたり、金属板の上から雪止めを取り付けるので、一般の方でも後付けはできるなと想像できると思います。
特にスレート屋根の場合は、雪止めがスレートとスレートに挟まれているので、後付けできるの?と思われますよね。
でも安心してください。スレート屋根でもちゃんと後付けで雪止め金具は取り付けられます。その方法は単純です。
スレートとスレートの隙間に雪止め金具を差し込んで、金具の引っ掛け部分を下側のスレート上端に引っ掛けて、下側に引っ張れば、ちゃんと雪止め金具は固定されます。
雪止めの3つの種類
ここでは、代表的な3つの屋根材ごとの雪止め種類をお伝えします。
スレート屋根の場合
スレート用の雪止め金具です。雪止め金具の出っ張り部分を設置したばかりのスレートに引っ掛けて取り付けます。その後、その上にスレート設置すれば完成です。
瓦屋根の場合
スレートと同様に金具を使う方法もありますが、雪止め瓦を使用するのがよりいいでしょう。雪止め瓦の設置方法は、単純に普通の瓦と取り替えるだけです。通常、瓦は手で簡単に取り外せます。
金属屋根の場合
ここでは、特徴が分かりやすい瓦棒葺きの金属屋根も雪止め種類を説明します。瓦棒葺きとは、上記写真にように縦にラインがある屋根構造のことです。
瓦棒葺きの金属屋根には、アングルタイプの雪止め金具をします。アングルタイプとは、写真のように長い金属棒で、雪止めをするタイプのことです。一目瞭然だから、取り付け方法の説明は不要ですよね。
番外編
屋根に雪止めをするのではなく、境界部分にフェンスを設置して隣の敷地に雪が落ちるのを防ぐ方法もあります。
屋根の老朽化等が進んでいて、屋根に上ると雨漏りなどの危険が高い場合などにはおススメの雪止め方法です。
取り付け費用目安
ここでは、自分で取り付けた場合と、業者に依頼した場合の2つの費用目安をお伝えします。
自分で取り付けた場合
スレート屋根 ※雪止め金具120個 |
12,960円~32,400円 |
雪止め瓦 ※120個~240個 |
120,000円~288,000円 |
アングルタイプ ※金具40個+アルミ棒12本 |
68,000円~85,000円 |
- 一般的な規模の10坪~30坪の住宅で計算しています。
- 足場代は含まれていません。
業者に依頼した場合
スレート屋根 | 7万円~10万円 |
瓦屋根(瓦タイプ) | 20万円~40万円 |
金属屋根(アングルタイプ) | 12万円~15万円 |
- 通常、雪止め金具の取り付け工事だけでは行ないません。他の屋根修理などを一緒に行なうときの費用目安です。
- 一般的な規模の10坪~30坪の住宅で計算しています。
- 足場代は含まれていません。
- 雪止め金具の価格は含まれています。
よくある質問
雪止めに関してよくいただく質問を4つ挙げてみました。よろしければ、参考にしてください。
雪止めの位置はどこがいいの?
【答え】軒先から40cm~80cm離れた位置です。正確には外壁の真上になる位置がベストです。その理由は2つあります。
理由① 軒部分は重みに弱いから
ご存じのとおり、軒の下には何も支えがなく、常に重力の影響を受け、耐性が弱っています。
そんな軒の上に重たい雪が長時間あると、どうしても傷みが激しくなります。状況によっては、軒先が曲がってしまうこともあります。
そのため雪止めを軒よりも少し上側につけておけば、雪止めから下側にある雪は、少量ずつ落ちていきます。軒先が曲がってしまうことはありません。
理由② 軒部分では凍るから
軒の下地部分に雪水が浸み込み、外気に晒されて凍ってしまうことがあるからです。この凍結を繰り返すと、屋根材を支えている野地板や垂木が腐食してしまいます。
それを防ぐために雪止めは、軒先から40cm~80cm離れた位置に付けて軒部分を速く乾燥させるのが常識です。
反対に軒以外の屋根部分はその下には、屋根裏などのある程度密閉された空間があるので、屋根下地が凍結することはあまりありません。
こんな僅かな高さの雪止めだけで大丈夫?
【答え】高さは4cm~5cmあれば十分です。積もった雪は数日すれば、大きな塊にあります。雪が屋根から落ちるのは、その塊の底辺、つまり屋根と接している部分が滑るからです。
その滑りさえ止めてしまえば、落雪することはありません。(ただし、豪雪地方は除く)
お隣に雪止めをつけさせる方法はありますか?
【答え】都道府県の条例によって雪止めに設置義務を課している地域もあります。新築時や屋根リフォーム時など状況でその内容が変わるようです。詳しくはお住まいの都道府県にお問合せください。
自分でも雪止めをつけられますか?
【答え】DIYが得意な方であれば、つけられるでしょう。しかし、それはあくまでも技術的な面においてです。落下危険や屋根破損に伴う雨漏り発生度アップも考慮したら、屋根修理業者に依頼するのが賢明でしょう。
新築時以外なら0円で取り付け可能かも
今、雪止めのことが気になるってことは、近日中や去年あたりに、いつもより多くの雪が降ったのではありませんか?ということは、その雪で雨樋やテラス、カーポートなどが壊れているかもしれませんよね。
私たちの経験では、ほとんどの方は気付かれていませんが、大雪後は、約80%以上の確率でなんらかの被害を住宅は受けています。
火災保険の「風災・雪災」補償
そんなあなたには、0円で雪止めがつけられるかもしれません。そのワケは、火災保険の「風災・雪災」補償です。
この補償は、風や雪で屋根や雨樋、カーポートなどが壊れた場合に保険会社がその修理費用を支払うと言う意味です。
すでに火災保険に加入中の方は、ぜひ「火災保険を使って屋根修理が0円でできる仕組みと確実な申請方法」をご覧ください。
なぜ0円で雪止めがつけられるのかをしっかりとお伝えしています。火災保険で屋根を修理する際に、業者負担で雪止め金具をつけることはごく一般的です。
業者選びが最重要
雪止めの取り付けは、業者にとっては比較的簡単な作業の部類になります。しかし、簡単な作業だからこそ業者選びが最も重要です。
悪徳業者は、雪止めだけでは利益が少ないので、必ずそれ以外の修理工事を勧めてきます。もちろん、その修理費用はボッタクリ価格に近いでしょう。
優良業者を探すことがポイント
悪徳被害を回避する方法は、実は簡単なのです。それは悪徳業者を探すのではなく、優良業者を探すことです。しかも電話1本でたちまち優良業者は、必ず見つかる方法があります。
上記の言葉で、電話問合せするだけで優良業者かどうかが分かります。
その理由は「絶対に騙されない!屋根修理詐欺の実態と悪質な修理業者の見分け方」で詳細をお伝えしていますので、ぜひ1度目を通してみてください。
まとめ
屋根の雪止めについて、その種類などをお伝えしましたが、分かりやすかったでしょうか?特に雪止めをつけようか、つけまいかと悩んだときは、絶対につけるべきです。
悩むってことは、お住まいの地域で降雪があったことですので…。だって次の降雪が大雪にならない保証はありませんからね。