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軒はあった方がいい|3つの機能と意外な4つのデメリット – roof partner
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軒はあった方がいい|3つの機能と意外な4つのデメリット

軒

新築住宅を建てられるときに、意外と「軒の出」を考慮しない方が多いようですね。そして新居に引越しされてから軒が短かったために、色々とデメリットを感じられているようです。

今日は、ついつい見落としがちな軒について基本的な知識をお伝えしたいと思います。また一般の方が中々気付かれないポイントも押さえてありますので、ぜひ参考にしてください。

軒とは

住宅の壁面や窓ガラス、ドアなどより外側に出っ張っている屋根部分の総称です。通常は、屋根の下端部分全体を意味します。

最近では、特に都心部で軒が短いもしくは無い住宅が多く建てられているが、かつての日本住宅では、軒の出はほとんどありました。

また一般的には以下の言葉も軒と同じ意味で使用されているようです。

軒先 ≒ 軒

軒の先端部分です。通常は雨樋が付けられている箇所とケラバになります。

軒下 ≒ 軒

軒に覆われた空間を指します。俗に「雨宿りで軒下を借りた」といいますよね。

軒天 ≒ 軒

外壁等から外側に出ている屋根部分の下面を指します。火災時に延焼しにくい材質で作られています。

軒の三大機能

ここでは、軒が住まいに対して発揮する主な3つの機能をお伝えします。

機能① 外壁の保護

軒があると、外壁上部より屋根が出っ張ることになるので、外壁が太陽光や雨風の悪影響を受けにくくなり、保護することになります。

機能② 日差しの調整

夏場には、軒がないと窓ガラスや外壁に直射日光が当たることになり、室温が余計に上昇します。

しかし冬場は軒があっても日射角度が低いため、日差しを遮ることにはなりませんので、室温が余分に低下することはありません。

機能③ 雨除け

通常、軒は窓の上方向にあります。そのため、雨天時などに雨除けの役目を果し、窓からの雨水の吹き込み防止機能もあります。

軒の必要性について

主な住宅構造には「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3つがあります。

どれも軒があるほうが、住宅の耐久性を高めることになりますが、ここでは最も多い木造住宅の軒の必要性についてお伝えします。

軒は付けるべき

木造住宅においては、軒があるとないとでは、耐久性に雲泥の差が出ます。そのワケは、木造住宅の主材料が木材だからです。

ご存知の通り、木材は長時間、水に浸っていると腐食しはじめ、脆くなります。また、乾燥⇔湿潤を繰り返すことでも傷んできます。

気象環境によっては、軒の有無の違いで、住宅の耐久年数に倍以上の差が出るといわれています。木造住宅を検討中の場合は、必ず軒のある住宅にしましょう。

軒が付けられない場合の対処方法

敷地に対して最大限に建築面積を得ようとすると、地域によっては、斜線制限や建ペイ率などで軒が付けられないこともあります。その場合の対処方法を2つお伝えします。

外壁はタイル張り

外壁をタイル張りにすれば、外壁内への雨水浸込みは、ある程度防ぐことができ住宅の耐久低下をいくらかは軽減できます。

だたしタイルは白色以外にしましょう。なぜならば、水垢が非常に目立つからです。

窓に庇を付ける

短くても窓に庇があれば、雨の降り込みは軽減されます。また外壁を伝っている雨水の入り込みも防ぐことができ、窓に施してある防水コーキングの劣化予防にもなります。

軒の出は90センチが基準

最も機能的に優れている軒の長さは約90センチといわれています。もちろん、それには明確な理由が2つあります。

理由① 日射角度が丁度良くなるから

 90センチにすると、窓上部と軒先端を結ぶ角度によって、夏至では室内に日光が差さず、冬至では、直射日光が差し込みからです。

この絶妙な角度にするためには、軒の長さが約90センチになるというわけです。

理由② 雨降りの吹込み防止できるから

軒の長さが90センチあれば、通常の雨天時では、まず雨水が窓や外壁に当たることはありません。※さすがに台風時や暴風雨時には、この限りではありませんが。

個人的な意見としては

しかしデザイン性を考慮すると、30センチ~60センチの軒の出が一番現実的かもしれませんね。

最近の軒が短い3つの理由

近年、軒が短いまたは無い住宅が多くなっている理由は「一戸あたりの敷地面積の狭さ」「縦長住宅が多い」「住宅価格の下落」の3つです。

画像参照元:http://zenoma.jp/
画像参照元:http://www.joto.co.jp/

理由①  一戸当りの敷地面積の狭さから

これは都心部ではもう当たり前になっています。敷地が狭いとどうしても隣地境界の制限の関係で軒が短いまたは無くなってしまいます。

理由② 縦長住宅が多いから

その狭い敷地に広い建築面積を確保するには、ビルのように縦に長い住宅にするしかありません。縦長住宅に長めの軒があると、デザイン的に好ましくありません。

理由③ 住宅価格は下落したから

軒があるまたは長いと、単純に材料費や職人の手間賃が増えてしまい、住宅価格に上乗せするしかありません。

しかし今の日本では、価格上昇はその業者の命取りになりかねません。そのため、業者は積極的に軒の短いまたは無い住宅を提案してきます。

長すぎる軒の4つのデメリット

軒は、ある程度長いほうがいいと申しましたが、やはり限度があります。ここでは、軒が長すぎると起こりうる4つのデメリットをお伝えします。

デメリット① 耐風性が低くなる

軒下から外壁に当たって、軒天に向かって吹き上げる風に対して脆くなる可能性があります。

デメリット② デザイン性が低下する

たとえ、縦長住宅でなくても長すぎる軒は、頭でっかちになり不安定に見えてデザイン的によろしくありません。

デメリット③ 居住面積が狭くなる

隣地境界制限により、外壁がより敷地中心部に寄り、居住スペースは狭くなってしまいます。

デメリット④ コストアップになる

軒が長くなるということは、それだけ材料費や人件費もアップすることになります。

軒に破損を見つけた時の対処方法

すでに住宅を購入済みで、軒に破損などの壊れを発見したら、まずは加入している火災保険を確認しましょう。ほとんどの火災保険には「風災補償」が自動セットになっています。

出典 http://www.sompo-japan.co.jp/
※平成26年7月1日に更新され 表示が異なっています。

風災補償については下記の動画をご覧ください。

このように、わずかでも強い風で軒が壊れたのかなと思われたのなら、火災保険で修理できる可能性があります。私の経験上、軒が壊れる原因は十中八苦、突風などによるものといえます。

ではどうすれば、火災保険で軒を修理できるのかは「知らないと損!屋根修理の費用目安と0円で直してもらう方法」で詳しくお伝えしています。

まとめ

軒の必要性や機能について分かりやすくお伝えしたつもりですが、ご理解していただけたでしょうか。この記事があなたの快適な住まい作りの参考になれば幸せです。