プロが伝授!屋根防水で迷ったとき参考になる7つのポイント

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屋根防水

雨漏りがしてきて屋根の防水をしなければとお考えではありませんか?でもネットでは、いろんな防水工事の種類があり、今1つ決めかねられませんよね。また工事代金のことも気になりますよね。

この記事では、主に陸屋根について「防水工事の種類と特徴」「費用目安」をお伝えします。是非参考にしてください。

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陸屋根の防水工事の種類と特徴

ここでは、大きく分けて3つの防水工事の種類とその特徴をお伝えします。

塗膜防水

塗膜防水は、防水塗料を「塗る」工法です。施工されている防水塗料は主に2種類あります。

ウレタン防水工事

ウレタン:防水工事

ウレタン:防水イラスト

画像参照元:http://www.hwp-55.com/
画像参照元:http://www.om-kk.co.jp/

ウレタン防水は、陸屋根において全国の防水工法の46%もあり、最も主流な防水工事の工法です。液体のウレタンを複数回塗膜することによって防水層を形成して防水を行うものです。

ウレタンは、液体状なので複雑な形状をした陸屋根面でも継ぎ目のない完全な防水膜を形成できます。

【特徴】

  1. 主流の防水工事なので、施工会社が多く、技術の高い工事が受けられる。
  2. 工程が単純なので、工事日数が少なくて済む。
  3. 材料費と人件費が安いので、結果、工事代も安くなる。
  4. 耐久年数は短めだが、塗り重ね可能なのでメンテナンス費も安く済む。
  5. 別素材の防水材があっても、そのまま上から施工するので、古い防水材などの撤去費用も掛からない。

FRP防水工事

FRP防水

FRP防水1

FRP防水は、強度が高く耐久性に優れたガラス繊維強化プラスチック(FRP)を使用して、防水層を形成する工法です。仕上げ面(トップコート)を含め5層もの防水層で形成する工事です。

近年では陸屋根はもちろん、ベランダ床などにも多く採用されている工法です。

【特徴】

  1. 軽量で、耐水や耐久性に優れている。
  2. 乾くのが早いので、工期が1日~2日で完了する。
  3. 施工時に臭いを発するので、対策が必要になることもある。
  4. 完了した後は、人が歩いても問題にならない。
  5. 硬化すればプラスチックになるので、地震などの揺れに弱い。
  6. 再塗装する際に廃プラスチックが発生する。

シート防水

シート防水は、防水シートを「貼る」工法です。施工されている防水シートは主に2種類あります。

塩化ビニールシート防水工事

塩ビシート防水

塩ビシート防水

画像参照元:http://www.nissei-k.jp/
画像参照元:http://www.suzuki-kenso.com/

塩化ビニールシート防水工事とは、塩化ビニール樹脂の防水シートを接着剤などで陸屋根面に貼り付ける工法です。シート状の防水材なので、複雑な形状の陸屋根には向いていません。

【特徴】

  1. 施工後には、人が歩くことができる。
  2. 色合いが選べる。
  3. 紫外線や熱、オゾンに耐いて強い。
  4. シート同士の重なり部分には、高い技術力と経験が必要なので、施工不良が発生しやすい。
  5. 耐久年数が10年~15年と比較的短い。
  6. 鳥のついばみによる穴開けも発生しにくい。

ゴムシート防水工事

ゴムシート防水

ゴム防水シート:構造

画像参照元:http://www.noa-wpf.co.jp/
画像参照元:http://www.nishio-w.co.jp/

ゴムシート防水は、シート状に成形した合成ゴム系の防水シートを、接着剤やテープなどで陸屋根面に施工する防水工法です。陸屋根の部分防水補修に最も適している工事です。

【特徴】

  1. 厚みが薄いのでやや損傷しやすい。
  2. ゴムは温度による変化が少ないので、施工地域の制限が少ない。
  3. 耐久性も比較的高い。
  4. シート状なので、複雑な屋根面には向いていない。
  5. シート状なので、短期間で低コストで済む。
  6. 接着剤の耐久年数が短いので、そこから雨漏りすることが多い。

アスファルト防水

アスファルト防水は、防水材を「塗る」+「貼る」の複合工法です。改質アスファルト防水もほぼ同様と考えていいでしょう。

アスファルト防水とは、合成繊維不織布にアスファルトを含ませたシート状のルーフィングを貼り重ねて形成する工法です。ルーフィングを積層することにより、水密性に優れた防水層が構成されます。

その施工方法には大きく分けて以下の2つがあります。

トーチ工法

アスファルトルーフィングの裏面に含ませたアスファルトを、トーチバーナーで炙りながら、液状化し、塗るようにアスファルトルーフィング貼り付ける工法です。

【特徴】

  1. トーチバーナーだけ簡単な器具で施工できます。
  2. ルーフィング同士を接合させる際、隙間なく溶着させることができるので、施工不良が少ない。
  3. 従来の熱工法と比べて、高い技術力や経験がなくても施工が可能。

常温工法

常温工法とは、防水工事でアルファルトなどを使用する場合、溶融釜を利用して材料を溶かすのではなく、常温で材料を付着させる工法のことです。

熱に頼らないため「冷工法」とも呼ばれます。液状のアスファルト材を用い、ルーフィングを複数枚交互に陸屋根面に貼り合わせます。

【特徴】

  1. トーチ工法のように熱による溶融が不要なため、煙がなく周辺や環境に良い。
  2. 工事中の臭いの発生も少ない。
  3. トーチ工法よりかは、接着技術を要するため、ルーフィング同士を接合には細心の注意が必要。

陸屋根防水工事の一覧表

防水工事の種類 耐久年数 価格 最適箇所 厚さ
ウレタン防水 12年 普通 全て 3.0ミリ~
シート防水
(ゴム)
13年 安価 陸屋根 1.2ミリ~
2.0ミリ
シート防水
(塩ビ)
13年 安価 陸屋根 1.5ミリ~
2.5ミリ
FRP防水 10年 普通 ベランダ 3.0ミリ~
アスファルト
防水
20年 高価 陸屋根 5.0ミリ~
10.0ミリ 

※参照URL:http://bosui.jp/type/

コーキング防水だけでも有効な事もある

陸屋根:コーキング1

陸屋根:排水口

画像参照元:http://www.m-kensou.com/
画像参照元:http://www.showa-jyutaku.co.jp/

陸屋根の一部だけが酷く傷んでいる場合や立ち上げ部分から雨漏りしている場合は、簡単なコーキング防水で雨漏りを止めることができることもあります。

一部を防水するために、何も陸屋根全体の防水工事をする必要はありません。

業者によっては、適当な理由を付けて強く全体工事を勧めてくることや、コーキング防水だけをお願いすると、あからさまに嫌な顔をすることもあると思いますが、そのような業者は悪徳業者の可能性が高いので、キッパリとお断りしましょう。

三角屋根の再塗装で防水機能を期待してはいけない

時々、三角屋根に再塗装をすれば、雨漏りも止まるのか?と聞かれることがあります。しかし、塗装で雨漏りが止まることがほとんどありません。

あったとしても一時的にしか雨漏りを止まりません。なぜならば、三角屋根の構造が陸屋根とは異なっているからです。

このように、主な防水機能を持っている防水シートは、スレートや瓦、ガルバリウム鋼板などの屋根材の下にあります。

だから屋根材の上からいくら防水性のある塗料を塗っても根本的な解決にはなりません。

三角屋根でキチンと雨漏りを止めたい場合は、一旦屋根材を取り除いて、ルーフィングを新しく張り替えるしかありません。三角屋根に関しては、塗装と雨漏り修理は全く別物であることをしっかりと認識しておきましょう。

【ちなみに】ベランダ床の防水工事には、FRP防水などの塗膜防水工事が一般的です。

屋根防水工事の費用目安(総額)

ウレタン防水 2,500円~7,000円/㎡
シート防水
(ゴム・塩ビ)
2,100円~7,500円/㎡
FRP防水 4,000円~~7,000円/㎡
アスファルト防水 5,500円~8,000円/㎡
コーキング防水 5,000円~30,000円/1箇所
  • ㎡数によって大きな開きがあることはご了承ください。
  • 正確な費用金額は、現地見積りのうえ、お伝えいたします。

防水保証について

一般的に防水保証の期間は最長10年までありますが、個人的には1年で十分だと思います。その理由は、1年を過ぎたあたりから、以下のよう免責事項で保証対象外にならです。

  1. 住宅自体の経年劣化に起因する雨漏り
  2. 突風や台風、積雪などの自然災害に起因する雨漏り

この二つの免責事項が必ず、保証の条件に加えられているので、長期間の保証を付けて意味がないからです。1年間全く突風が吹いていない都道府県ってあまりないですからね。

本当に保証料金が無料であれば、ダメ元でもいいので最長期間の保証を付ければいいですが、保証を付けるということは必ず工事代に実質保証料金がプラスされているか、別途料金が必要になるはずです。

そんな保証対象外になる確率が高い期間のために、料金を支払うのはドブにお金を捨てるようなものです。防水保証期間は、必ず1年また短い年数にしましょう。

ちなみに自然災害で雨漏りし始めた場合は、次で詳しくお伝えしますが、加入中の火災保険会社が補償してくれることがあります。

木造住宅なら負担0円で防水工事ができる可能性がある

今加入中の火災保険には、ほとんどの場合、自動特約で「風災・雪災・ひょう災」補償がついています。ぜひ、保険証券で確認してみてください。

パンフ三井住友火災

このように火災保険会社は、風や雪、ひょうが原因で壊れ、雨漏りした場合は、その修理費用を肩代わりしてくれるのが「風災・雪災・ひょう災」補償です。保険加入者の当然の権利ですので、遠慮なく、しっかりと保険申請しましょう。

ただし、陸屋根住宅に多い軽量鉄筋の建物は、補償対象外になる傾向が強いようです。その理由は、軽量鉄筋の建物は丈夫だから風や雪、ひょうの影響は受けないと火災保険会社が判断しているからです。

個人的には軽量鉄筋の建物でも影響は受けていると思うのですが・・・。私の住宅は、木造だから補償されるかもと思われた方は「火災保険を使って屋根修理が0円でできる仕組みと確実な申請方法」でより詳しくお伝えしていますのでご覧ください。

詐欺業者に騙されない方法

住宅関連のリフォームは、ボッタクリや手抜き工事などの詐欺業者の比率が高い業界と言われていますし、私たちも事実そうだと感じています。

いくらあなたが詐欺業者を警戒しても、その警戒の目を掻い潜って、近づくのが詐欺業者です。「よし!詐欺業者を見破ってやろう!」と近づくと、餌食になってしまいます。

そこで、一般の方でもリスクなしで被害を回避できる方法を「絶対に騙されない!屋根修理詐欺の実態と悪質な修理業者の見分け方」で詳しくお伝えしていますので、興味がある方はクリックしてみてください。

まとめ

陸屋根の防水工事について基本的なことと、その費用目安をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。少しでもあなたのお力になれたのでしたら幸いです。

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PR編集部

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