屋根カバー工法の具体的な内容とおススメできない理由を解説

屋根カバー工法の具体的な内容とおススメできない理由を解説
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そろそろ、屋根をリフォームしなければと思い、インターネットで情報収集をされると「屋根カバー工法」っていう言葉をたくさん見かけるようになりました。

なんだか聞き慣れない言葉で、ちょっと気になりますよね。インターネット上では「カバー工法はいい」とか「駄目」または「安い」とか「後で高くつく」など、いろいろと書かれてあります。

しかし結局、屋根カバー工法は大丈夫なのかというと、はっきりと分かりませんよね。「カバー工法はいいのか?」の結論をいうとカバー工法はよくありません。

このページでは、屋根修理方法の比較と屋根カバー工法の基本知識とおススメしない3つの理由をご説明します。ぜひ参考にしてみてください。

\屋根の修理は助成金で安くなる/屋根塗装の費用を助成金で抑える方法

屋根の修理方法の比較表

屋根カバー工法のことをお伝えする前に、まずは代表的な屋根の修理方法の比較表をご覧ください。

費用 美観 耐久性 雨漏り防止
コーキング
一部交換
屋根カバー
屋根塗装
葺き替え

屋根カバー工法の基本知識

次にお伝えするのは、カバー工法という名の通り、既存の屋根材の上に新しい屋根材をカバーして行なう屋根の修理方法です。

最もよく行われている「スレート」→「ガルバリウム」のカバー工法で、その工事概要を説明しましょう。

 工事概要

【注意事項】 出典元の会社様は、非常に真面目で優良と思われます。屋根カバー工法のメリット・デメリットをお知らせするために写真を使用させていただきました。決して屋根カバー工法を全否定する意味ではありません。

①古いスレートの上に新しいルーフィングを敷きます

ルーフィングとは、防水シートのことです。

矢印↓

②ルーフィングをガルバリウム鋼板でカバーします。

矢印↓

③棟板金などの水切り金具を取り付けて完了です。

このように非常に簡単な工程でカバー工法はできます。また、ガルバリウムは金属板なので、加工がしやすく、古いスレートを撤去することなく行うので、工事期間も短いのが特徴です。

屋根カバー工法の費用目安

屋根カバー工法 80万円~250万円

一般的な大きさの屋根で計算しています。足場代も含む。屋根の状況や敷地環境によっては上記金額の範囲外になることもあります。

他サイトのように客寄せ金額ではなく実勢価格です。

オススメしない3つのワケ

私たちは、この屋根カバー工法をおススメしていません。その理由は下記の3点です

  1. 既存の屋根材を撤去しないから
  2. 屋根が重くなるから
  3. 今後の屋根修理費用が高くなるから

その理由をそれぞれを詳しく説明しますね。

理由① 既存の屋根材を撤去しないから

古いスレートの多くには、アスベストが含まれています。あなたはそのような有毒物が頭の上にあって、安心して生活できますか?すごく不安ですよね。

だからおススメしないのです。また古い屋根材(スレート)には、必ず雨水の水分が含まれています。

その水分がふくまれている屋根材を新しい屋根材で覆ってしまうと、ますます乾燥されません。最悪の場合、屋根の下地まで腐食してしまい、屋根の骨組みそのものが崩壊する可能性も否定できません。

いくら表面を綺麗な新しい屋根材で覆っても、それは見栄えだけです。一番大切なのは、見栄えではなく、雨風から生活を守るその機能ではありませんか。

さらにアスベストの撤去・処理は特殊な作業になります。現在でもアスベスト処理費は高額ですが、業界の予想では今後もその金額は上昇するものと思われています。

だったらアスベスト撤去・処理を将来に持ち越すカバー工法よりも、屋根修理や屋根塗装、屋根葺き替えのほうがいいのではないでしょうか。

理由② 屋根が重くなるから

屋根カバー工法とは、古い既存の屋根材の上に新しい屋根材を敷く工法です。屋根部には二重の屋根材を設置することになります。そうなれば当然、その重量は加算されます。

皆さんもご存知のように住宅上部(屋根部)が重くなればなれほど、住宅の重心が高くなり、地震の際は、その揺れの影響を受けやすくなります。だから私たちはカバー工法をおススメしません。

一部の専門家は、日本の住宅基準を満たしていれば、屋根カバー工法でも問題はないと言われていますが、住宅の重心が低ければ低いほど耐震性アップに繋がることは間違いないでしょう。

理由③ 今後の屋根修理費用が高くなるから

これは、屋根構造が単純に2重になるので雨漏りなどが発生した場合、その原因特定が困難になり、その修理費用が高額になる傾向があるのでおススメしません。

通常の屋根構造でも雨漏り原因が不明な場合もありますので、屋根構造が2重になると雨漏り専門業者でもお手上げかもしれませんね。

もちろん、屋根材をすべて取り替える屋根葺き替え工事を行なえば雨漏りは止まりますが、その費用はかなり高額になるとの覚悟が必要です。

さらに屋根カバー工法をしたために「0円で屋根修理できる方法」が利用できなくなる可能性があるからです。

カバー工法にすると保険が効かなくなる

その「0円で屋根修理できる方法」とは、加入済みの火災保険を活用する方法です。

保険会社も認めている火災保険に自動付帯している「風災・雪災」補償を申請して、その損害金額(修理費用)を保険でカバーする方法です。保険加入者なら、あなたにもその権利はあります。

詳しくは「知らないと損!0円で屋根のリフォームができる可能性がある全手法」記事をご覧ください。

カバー工法の屋根は保険適用率が下がる?

しかし、なぜか屋根カバー工法で修理した屋根は火災保険で屋根を修理できる可能性が極端に低くなります。私たち専門業者がそう感じているので間違いありません。

その理由を推測すると、はやり屋根構造を2重になっている点ではないでしょうか。「風災・雪災」補償は、突風や強風、積雪によって損害を受けたときにその補償をするものです。

カバー工法では被災原因が不明になりがち

カバー工法で修理すると、その後、風や雪の影響で雨漏りがしても、古い屋根材に問題があって雨漏りしている可能性も否めません。

またカバー工法では古い既存の屋根材にネジなどで新しい屋根材を固定しますので、その穴が原因で雨漏りが発生している可能性もあります。

保険会社は常に保険金を出さない理由を探している

詳しいことは承知していませんが、もしかしたら保険会社の内部規定等でカバー工法された屋根は、要注意対象かもしれませんね。

このように屋根カバー工法で修理していなければ、火災保険で修理できるものをわざわざ、火災保険で修理しにくい屋根カバー工法を選ぶ必要はあるでしょうか。

良い業者の選び方

カバー工法で屋根を修理するにしても、はたまた通常の屋根修理や屋根塗装、屋根葺き替えを行なうにしても見積り依頼する業者は慎重に選びたいものです。

そこで、その業者が一発で優良業者かどうかが判明するチェック法を伝授します。それは先ほどお伝えした火災保険の「風災・雪災」補償の存在を利用します。

下記の内容で電話問合せをしてみてください。

魔法の電話問い合わせ方法がある

「突風で屋根が壊れたのですが、安く修理していただけますか?」

仮に風で屋根が壊れていなくても、あえてこの問合せをしてみてください。この問合せで、その業者が考えていることが分かります。

お客様のことを本当に一番優先に考えている業者なら、はじめに必ず火災保険の加入有無を確認するはずです。

例えば「突風で壊れたのですね。それでしたら火災保険に加入されていますか?」などの電話応対になるはずです。

火災保険の加入有無を確認する業者はお勧めできる

もしも、火災保険については全く触れず「まずは無料で屋根を調査させてください」というような電話応対でしたら、その業者は避けたほうが無難でしょう。

なぜならば、自社の利益を一番に考えている業者だからです。

「料金が高い・安い」や「技術がある・ない」など業者を選ぶ際の基準は十人十色ですが、一番重要な基準は、お客様(あなた)の利益を最優先にしているかどうかではないでしょうか。これに勝るものはありません。

お客様(あなた)の利益を最優先にしていれば、その業者は自ずと料金も技術も納得できるものを提供できるはずですから。

屋根カバー工法を検討中なら葺き替えにすべき

最後に、屋根カバー工法を検討するほど、屋根が傷んでいるのならば、屋根の葺き替え工事を選んだほうが良い理由をお伝えします。

耐震性が上がるから

屋根カバー工法は既存の古い屋根の上に新しく屋根を増設します。そのため100%工事前よりか、住宅上部が重くなります。

よって、頭でっかちの住宅になり、地震があった際は、構造的にどうしても被害が大きくなりがちになるからです。

雨漏りリスクが少ないから

屋根カバー工法も屋根葺き替え工事も雨風を凌ぐ外面は、すべて新品の屋根材になるので、雨漏りが発生する可能性は、他の修理方法と比べてかなり低いです。

しかし両者とも0%ではありません。万が一雨漏りが発生した場合は、屋根カバー工法のほうがかなり厄介になります。その理由は、古い屋根材部分を通って、雨漏りするので、原因箇所を特定するのがとても難しいからです。

難しいということは、それだけ雨漏り修理費用も高くなりますし、最悪の場合は雨漏りが止まらないケースも考えられます。

屋根裏の換気がしっかりとできるから

住宅を長持ちさせるには、部屋内はもちろんですが、床下や屋根裏の換気はとても重要ですよね。

しかし、屋根カバー工法をしていると、古い屋根材が残っているので、どうしても屋根裏換気がスムーズにできません。

ということは、屋根カバー工法では住宅の寿命を短くしてしまう危険があると言わざるを得ません。

まとめ

カバー工法を最優先に考えられていた方には、不機嫌になる記事かもしれませんが、決してカバー工法を全否定しているわけではありません。

あくまでも一業者の主張だと捉えて1つの判断材料にしていただければと思います。

業者選びのチェック法は、全く手間や費用も掛かりませんので、よろしければ試してみてください。きっとあなたの業者選びに役立つはずです。

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PR編集部

すべての人にとって大切な住居。その屋根を修理するのに、助成金を利用するのは当然の権利であり、誰もがきちんと利用するべきだ。私たちはその事実を広めるお手伝いをしたいと考えています。

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